なんて書きながら別に洋楽に対抗したり模倣したりする必要はないと思う。大森靖子や宇多田ヒカルはシンガーとして、その歌唱と文学・美学がどんどん深みを増しているし、アイドルの楽曲を通じてアンダーグラウンドのクリエイター達がその手腕をポップス畑に見せつける構図は依然面白く頼もしい。日本の音楽はやっぱり良いなと感じる一年だった。
1. Boyish / Strings
大化けしたと勝手に思っている。おれの中のBoyishはラップトップっぽい(良い意味で)スカスカのシューゲイズ系バンドだったのだが、ここまで歌モノを書けるなんて。衝撃と共にその素晴らしさが余り広まっていないことを悲観して一位に。
2. Homecomings / SALE OF BROKEN DREAMS
一聴すると相変わらずの安定感にうっとりするが、聞き込んでいくと実は安定感以上にチャレンジングな作品だったと思わされる。白眉の『LIGHTS』ではSCLLやポストロックに接近するような向きも感じた。
3. スピッツ / 醒めない
名作「小さな生き物」に次ぐ15枚目。草野さんの声は初期に比べてややハスキーになっているが、それが今のスピッツの魅力か。『みなと』、『雪風』、『ヒビスクス』など名曲多し。圧倒的にマジョリティーを相手にした商業ベースのロックにして、こだわりへの妥協も一切ない、このバランス。カンペキとは言えないが、流石スピッツ。
4. Supersize me / Slouching Towards Bethlehem
日本にこんなドローンのバンドがいたことをまったく知らなかった。とにかく美しい。
5. Especia / CARTA
先行きの怪しいEspecia。なんとか12月にシングルが出て安心した。Vaporwave路線を少し脱したのはいいとして、90sというテーマのフックとなった山根康広作の曲は若旦那以上に意外だった(でもあの曲はむしろBiSHに合いそう)。とにかく相変わらず名曲揃いです。
6. Foodman(食品まつり) / Ez Minzoku
イージー・ミンゾク。やや警鐘に聞こえなくもない最高なタイトル。今年ブレイクしたTOYOMUも、そしてこの人も、アイデア感抜群の日本の若手ミュージシャンの実験音楽が少しずつ世界に渡っていくのが嬉しい。
7. Yasei Collective / Lights
何気な〜くかけていたらどんどんハマってしまった。キャッチー。人脈的にはなぜかロキノン系。
8. 大森靖子 / TOKYO BLACK HOLE
この人は本当に歌が上手い。歌唱力ではなく表現力。カラオケやゲーセン、ショッピングモールで当たり前のように掛かって消費されていくような音楽を意図的に志向しているような感じを覚えるが、この人の根底にある、無力無善寺で観たころ見せつけられたようなハングリー精神、表現することへのこだわりは隠しきれない。ポップさと奥深さがちょうどいい具合で溶け合った作品。そしてエイベックスにこれからも留まっていてほしい。
9. 宇多田ヒカル / Fantôme
10. カーネーション / Multimodal Sentiment
大森靖子とのコラボ曲も入っている。やはりこの声は落ち着く。コンスタントにカーネーションというバンドが作品を発表してくれることの有り難みを噛みしめる。
11. ナツ・サマー / 夏・NATSU・夏
アートワーク、顔、声、曲、コンセプト、全てがこのみにジャスト・フィット。最高です。しっかりしたアルバムを聞きたい。
12. NOT WONK / The Ordinary
名曲揃い。Apple Musicばかり使っていたので久々に物理盤を購入した思い出。
13. Negicco / ティー・フォー・スリー
14. MUSEMENT / Musement Fair
まさか復活するとは。9年のブランクのどこまでが制作期間だったか知らないが、かなり作りこまれていてどこを切っても素晴らしい。嬉しいサプライズ。
15. ayU tokiO / 新たなる解
原宿で見たミニ・オーケストラの豪華なライブが忘れられない。この人の野心・才能・こだわりは凄いものがある。
16. METAFIVE / META
17. yahyel / Flesh and Blood
"洋楽っぽい邦楽"が増えているがここまでシンクロしたか!という感じ。同列に語られることの多いD.A.Nよりずっと好きです。
18. 相対性理論 / 天声ジングル
毎回あまり食指が伸びないんだけど、味わってみれば安定のクオリティーに安心して耳を傾けることができる相対性理論。日本のバンドってあまり変化を志向しない気がするが、このバンドは地味にどんどん殻を破っている超変化型。今年は遂に武道館もこなしてしまった。
19. Maher Shalal Hash Baz / Hello New York
ほとんど宣伝もなく、たまたま見かけることでもなければ明らかにスルーしていたであろう作品。この様式美からは一度溺れたら抜け出せない。スッカスカのPharrel『Happy』のカバーも最高。そういえば冬里さんがFrank Oceanをカラオケで歌っている動画を見たことがあるが、一周回って俗っぽくなっていく様もまた面白い。
20. 辻林美穂 / Clarté
ややオーバー・プロデュース気味。Bandcampで出してた頃の音源の方が良かった曲も。ジャケ可愛い。
21. THE NOVEMBERS / Hallelujah
このバンドはずっとどこか惜しいと思っていたが、本作からシューゲイズ要素が強くなり(今更かよという気もするが)楽曲が格段に良くなった。
22. ザ・なつやすみバンド / Phantasia
Eテレの楽曲をやってて、ああしっくり来るなぁと思いながら、ちょっと寂しい気分にも。
23. 青葉市子 / マホロボシヤ
天才感漂う初期路線が好きでしたが、これはこれで…、前々作・前作よりは圧倒的に良い。そのうちジブリの映画音楽でもやるんじゃないかというような雰囲気。左巻きアーティストとの接触さえなければ…。変なメッセージ性は込めない方がよい。
24. サニーデイ・サービス / Dance To You
25. Sugar’s Campaign / ママゴト
26. Seiho / Collapse
27. Indigo la End / 藍色ミュージック
何かと話題を振りまいてしまった川谷氏。曲は良いのに、勿体無い。
28. 片想い / QUIERO V.I.P.
29. aiko / May Dream
30. 王舟 / PICTURE