9/06/2011

倉地久美夫・菊地成孔・外山明 / うわさのバッファロー

心を切り裂かれる


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邦楽の「名盤ガイド」みたいな本を読みまくって、古今東西を聴き尽くして、さあ次は何を聞こうか、という人がたどり着くのがこの人「倉地久美夫」。
というイメージを勝手に持っている。
活動はローカルでマイペース。
そしてもちろんチャートに出てくる人ではないし、活動期間の割には作品はあまり多くないので、なかなか耳にすることはありません。
昨今は「詩のボクシング」で優勝したり、倉地氏を追ったドキュメンタリー「お庭にお願い」が公開されるなど、ポップな話題もあります。
曲中にも朗読がありますが、やはり心を打たれますね。
基本的には弾き語りで歌が軸ですが、本作のようにホーンが絡んだり、下の映像のようにセッションも多く、変幻自在な印象です。
(初期はフォークっぽい印象ですが。)
倉地久美夫×山本達久@浦添groove...1
溢れる言葉の力強さ故、この作品は最初バックの演奏いらねえと思ってましたが、ボーカルの輪郭はそのままで、言葉と言葉の合間をホーンが縫ってくれるような一体感が他の作品にはない魅力的で実験的な録音となっています。
雰囲気だけですが、Jeff BuckleyやIll Bone、Antony&The Johnsons(ジャンルバラバラですが)を思い出したりします。
決して変わった音楽ではなく、至極正統派であると思います。
少し前に豊田道倫氏、outside yoshino氏(eastern youth)とジョイントライブをしてますが、音楽の形こそ違えど、普段しゃべるような言葉で心の中へ切りつけるところは御三方とも共通しているように思います。
倉地久美夫
参加している菊地成孔氏はこの作品が出たタイミングではおそらく第一期Spank Happy解体後であり、いい具合にポップスを通過して一番脂が乗った時期だったのでは。
この後の活躍ぶりを見ると、菊池氏にとっても転機となったのかもしれません。
尚、同じくローカルベースに活動する浜田真理子さんもCDを出している美音堂から2006年にリマスター盤が、ジャケットを変更して発売されている。
こちらは私は未聴。

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