12/30/2014

豊田道倫・七尾旅人・鈴木博文 「ともしび商店街のはしっこで」@渋谷TSUTAYAO-nest 2014.12.29

初めてのO-nest。TSUTAYAがやってるのは知っていた。渋谷Oグループの他のライブハウスに行ってしまったらしく(O-east?名前紛らわしい)、スタッフの可愛いお姉さんが丁寧にnestの場所を教えてくれる。
さて、ライブハウスに入るといきなりバーコーナーに昆虫キッズの冷牟田敬さんが座っている!いや、面識はないんだけど、あの目を直視してしまうとやはりドキッとする。
会場にはやたら女性が多い。なぜだ?七尾旅人効果か?あと昔からの博文ファンらしきおば様もちらほら。


始まりは豊田さんソロから。ド派手なピンクのジャージにグリーンの帽子。ソロセットでニヤつくMCを交えながら、淡々と。前に見たのはかれこれ1年前の難波ベアーズでのmtvBAND以来。思えば2014年のライブ観覧歴はMTに始まりMTに終わることになる。


続いて、七尾旅人さん。昔からのTwitter等で豊田ファンであることをちらちら見ていたが、初めて共演を見る。七尾さんが豊田さんの歌が好きというのは結構意外な感じもある。年齢はざっと10歳くらい離れてると思うけど、雑誌でちょっとずつ名前を見るようになったのは同じくらいの印象がある。98〜00年頃かな?
始まりのMCでの「東京で何してんねん」のショートバージョンの話、かなり笑えた。そこからどんどんMCが膨らむ。この人は本当にMCが好きだな、と思う。声がきれいだから、MCもやたらとサマになる。曲の一部のようにさえ聞こえる。
私が一番回数多くライブを見たミュージシャンは多分七尾旅人さんだが、肝心の演奏は見る度どんどんキレが増している。とはいえ、2年位見ていなかったのだごが、相変わらずの技巧を凝らしたエフェクターの使い方で、本当に気持ちのよい音を聞くことができた(ちょっとベクトルが苦手な宇宙方面に行ってしまっていたが…)。この独特のサウンドがやみつきになる。「ぼくらのひかり」は構成も凝ったいい曲だ。おそらくもう暫くしたら「311 Fantasia」でもリリースされるのではないだろうか、と思ったり。
この人の音楽は好きなんだけど、MCやツイートが好きではないので聞かない/見ないようにシャットアウトしている。大橋仁の炎上の話より、素晴らしい演奏を聴きたかったよ。サーカスナイトも途中で終わっちゃうし…後々のアクトの時間も押しちゃうし。豊田さんから「炎上商店街」というちょっとした皮肉が入る。


次は豊田さんの荒々しい紹介で登場した鈴木博文さん、ライブ見るのは初めてだったが、いやあカッコイイ!ムーンライダーズの「あのお方」が目の前に居る!ってことでとにかく興奮した。カッコイイのは知ってるんだけど、さすがビームスのモデルもやっちゃっただけのことはある、着こなしがいい。MCのジョークも甘すぎずアダルトな風合いで。
ライブ前半は新作「後がない。」と前作からがメイン。淡々とこなしていく。「後がない。」は七尾さん・豊田さん共に絶賛。タイトルの割に明るい前向きな内容だとのこと。確かに聞いたことなかった表題曲「後がない」や、「Tokyo Man」って曲は新作からのようだが、中期ムーンライダースをはっきりと思い出させるポップな良曲だった。その後の「凹凸」、これも名曲レパートリーにしっかり刻まれている定番ナンバー。鮫と蟹のなんとも毒々しい言い回し、頭がくらくらする。
途中で「一曲くらいは…」とボソっとつぶやきムーンライダーズの「ボクハナク」を。30歳手前の私には沁みるぜ。ここから懐かしソング連発、博文さんソロキャリアの最初期に出た「Fence」、これも改めてライブで生で聞くと歌詞のかっこよさを再認識する。
 "ぼくの車の窓にぶつかる蝶が散っていくのを
  君が指を折って数えるハイウェイ いかれた朝だ"
こんな歌詞、書けないぜ。最後は「豊田さんは暗い人かな?明るいのかな?…豊田さんに暗い歌を贈ります」とハーモニカをセットして「風におどる」で締め。「風におどる」は個人的には暗いイメージではない。「後がない。」と言っておいてそんなこともなかったり、博文さんは意外と天邪鬼?
(余談:当たり前なんだけど、お兄さんに声が似ている。いや、CDではあまり思わなかったんだけど…。)

1. 風のナイフ
2. Flyline
3. Tokyo  Man
4. 凹凸
5. riparian life
6. 一か八かで気持ちいい
7. 後がない
8. ボクハナク
9. Fence
10.風におどる


トリはNEW SEXY mtvBANDということで、宇波さんが抜けて、ベースにカメラ=万年筆の佐藤優介さん、スティールパンのトンチさんが加わって、全5名のバンドになった新生mtvBANDが登場。年齢は20代から50代までそれぞれ幅広い。トンチさん、今まで彼女の音が入った作品は数多聞いてきたが、ビジュアルを拝見するのは初めて。とても美人でびっくり。
音は言わずもがな、最高だ。前回のベアーズと同様、鈍く突き刺さる轟音。荒削りな久下さんのドラム、情緒的且つクールに弾かれる冷牟田さんのギター、大人しいのに美しい指使いの佐藤さんのベース、新たな彩りを加えるトンチさんのスティールパン。ギターとスティールパンの音がかぶってて若干カオス気味だったが、これはこれで面白い。mtvBANDがチャレンジングにどんどん進化していくのは嬉しい。これからも続けてくれるかな?まだ聞き足りないです。まだまだこれからも聞きたい。大好きです。
最後にMTがさらっと吐いた「(子供のこととかバイトのこととか恥ずかしいこと言うのやめればレジェンドになれるのに、という友達の進言に対し)馬鹿野郎。それは二流三流がやること。シンガーソングライターに恥ずかしいことなんてありません。来年はアニバーサリーですが大きいことはできません。小さいことを、正々堂々とやっていきます。」という言葉が印象的だった。それこそ豊田道倫のかっこよさの真髄である、と改めて。

1. 幻の水族館
2. ともしび商店街
3. 男はどうして
4. チョコパ
5. UFOキャッチャー
6. DJ親心
7. ゴッホの手紙、オレの手紙
8. あいつのキス
9. City Lights 2039
10. 3人
11. Heavenly Drive
(encore)
12. Vシネマ、カウンターで
13. うなぎデート


ゲスト2名含めて「大寒町」なんて期待してたけど、まあ流石にそれはなかった。
かなり押していたけど、冒頭のMCで豊田さんが「(内容に対して)値段安かったねって言って貰えるようなライブにしたい」と言っていたが、その通りで笑いあり涙あり(?)で実に充実していた。大満足。お陰で終電間に合わず、蒲田のホテルに急遽宿泊。ホテル代6,000円足しても納得でした。1年のいい締めくくりになった。最高。
(上記のセトリは自信なし!)


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