12/29/2017

私的2017年音楽作品番付 アルバム編 <邦楽>

毎年年末のレヴューしかしていないのは、この時しかブログを書く時間がないためであり、リスニング行為とレヴューとアフィとせどりでしっかり確定申告をしながら生きていきたいと思う反面、やはり家族の時間/仕事の時間が自分を自分たらしめているのだなと実感・感謝しながらワークライフ・バランスを整えつつ2018年を迎えたいものである。



1. 平賀さち枝 / まっしろな気持ちで会いに行くだけ


ランキングをつけてみて驚いたのが大森靖子と平賀さち枝。この2人+青葉市子3人は2010年過ぎ辺りから同時多発的に発生した新時代の女性SSWの三傑という私の中の勝手な括りに入れられているのですが、うち2人がこうしてそれぞれ全然違うベクトルでガッツリ活躍していることに感激。
平賀さんが高校時代に剣道部だったという話をどこかで聞いたが、妙に納得してしまった。武道をやっていた人らしく、いつも毅然とした音で、迷いがない。この点ではいつもaikoを想像してしまう。昔からそこにあったかのような馴染みのよい旋律を当然のように歌う平賀さんの新しい声を久しぶりに聞けるというだけで、"2017年も良い年であった"と清算できる。Homecomingsとの共作もまたリリースされるというので楽しみだ。


2. 大森靖子 / MUTEKI

大森靖子のリリースペースが途切れない。色々と炎上したり、ついに道重さゆみに曲を提供したりと、どんどん変わっていく環境の中で、Twitterを見ると変わらないマイペースっぷりで、メジャー所属にも関わらずストレートな表現を発信し続けている。
今作はベスト盤的なものなのでここに挙げるべきではないのかもしれないが、2曲だけ新曲が入っておりその2曲の出来が最高なので、それでけでも聞く価値有りだ。
大森さんのTwitter開始後の至極初期に相互フォローしていることが私の密かなジマンである。ちなみに以下のレヴューに大森さんと揉めた人が2組出てくることもわかっている。


3. evening cinema / A TRUE ROMANCE

そつのない言葉の羅列ではなく、どこかカジュアルで、完成度の高いサウンドに乗せるにはやや引っかかる"ハズし"のワードや言い回しを含んでいる絶妙な詞。"たくさん勉強しなくちゃ"というフレーズとか、シングルの曲調をみるに、なんとなく岡村靖幸の影響が強いのかも、と思ったり。


4. BiSH / THE GUERRiLLA BiSH
BiSはあまり好きではなかったのだが、BiSHはすごく良い。顔が好きな子はいないのに、曲調もBiS時代とそんなに変わったわけではないのに。メディア露出もかなり増え、ブレイク目前の勢いを強く感じるストレートな楽曲群。松隈さんのメロディはどこか90年代後半ぽさがあって、世代的に琴線に触れる音だらけ。


5. 東郷清丸 / 2兆円

これはジャケを見て聞かなかった人は後悔するであろう。裏切りのセクシーでメロウなヴォーカル。アーバンな音から始まり、後半は宅録へ。手数がかなり多い。ってか曲がそもそも多い!そしてなんでこのジャケにしたんだ。色々謎めいていて面白い。「ロードムービー」は傑作だ。


6. 吉田ヨウヘイgroup / ar

平然と聴いているけど、歌唱も独特だし、音も複雑。だけど当然のようにポップスの世界に鎮座している。大谷能生ら客演陣がかなり豪華。


7. 見汐麻衣 / うそつきミシオ

埋火でもない、MANNERSでもない、ひきがたりシリーズのソロでもない、でもその履歴が全て踏まえられた新しい見汐麻衣。それこそが、埋火が大好きでMANNERSがそこまで好きになれなかった自分がずっと待っていた音だった。マスタリングはやはりお馴染みのピースミュージック、間違いない。


8. Okada Takuro / ノスタルジア
森は生きているのセカンド発売後のツアー、ちょうど2年前の年末だったか、に会場で買った岡田拓郎さんのソロ・カセットはかなり実験的な内容であった。同時にその時の森は生きているのライブも、スタジオ盤のアコースティックな感じと裏腹に、ライブではノイズ強めのかなり激しいサウンドであった。ソロでアルバムが出ると聞いて想像したのはそのノイズの延長線上にある実験的なものであったが、これまた一転してタイトル通りのノスタルジックでアコースティックな美しい作品。やはりこの両面性がいいんだよな。羅針盤と同じ。


9. CHAI / PINK

こうして書いていると女性の歌ばかり聞いていることが判明した。やはり振り返ることは大事である。CHAIは各メディアやきゃりーぱみゅぱみゅなどの"インフルエンサー"により押されまくっていたので、きっとブレイクしてそのうちにグラミー賞なんて取っちゃうのだろう。テレビなどで出ていた情報によればXTCやTalking Headsが好きだとかで、音もポスト・パンクのルーツを強く感じさせるので、おじさんウケはかなり良いだろう。個人的にはチャクラ/小川美潮を思い出すのだけれど、ネットで調べても誰もそんなこと書いてなかった。そういえば大森さんの最初のシングルも「PINK」だったな。


10. 入江陽 / FISH

歌詞・サウンド、どっかいつも"抜いて"くるのがどうもクセになる入江陽。相変わらず井上陽水を感じてしまう・・・と思っていたが、だんだん浮遊感が出てきて佐藤伸治のようだ。


11. Cornelius / Mellow Waves


12. ナツ・サマー / Hello, future day

もっと名盤になると思っていた。


13. カーネーション / Suburban Baroque

いつも変わらないカーネーション。この安定感。矢部さんゲスト参加。最後の「VIVRE」締めがたまらない。


14. 東京塩麹 / Factory

ミニマルなんだけどオシャレ。ありそでなかった音。


15. Suchmos / The Kids

時代を象徴する一枚になりました。


16. シャムキャッツ / Friends Again



17. SCOOBIE DO / CRACKLACK

アツい!


18. フィロソフィーのダンス / ザ・ファウンダー

ユニット名も含め、最初はややあざとさが気になったけど、作り込まれたアートワークや、Especiaの解散を通して好きにならざるを得なかったユニット。


19. katyusha / I Like Me
DADARAYで"えつこ"としても活躍する女性SSW。めっちゃメロディーメイカー。


20. Homecomings / SYMPHONY

なんか活気がなかった気がする。



<番外編>

野戸久嗣


驚いたことにmagoo swimのボーカルの方がソロで新作をリリースしていた。氏は確かSMAPの「Fly」の作曲者で、magoo swimも90年代後半、私がラジオでロックを聴き始めた頃にかなりよく流れていたと記憶している。年末に知ったためまだあまり聴き込めていないが、流石の出来。


ラッキーオールドサン / Belle Époque
音は洗練されて聴きやすく、売れそうだなと思う反面、持ち味であった初期作のような粗さがなくなってしまった。とても淡白。みんな通る過渡期。次作が楽しみです。

以上。
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