するめの中へ
町田康の文章が好き。
というといささかサブカルミーハーっぽいんだけど、
冗談なんだか本気なんだか解らないような、
ギャグとも狂気とも言えるあの独特の文章は、
きっとどんな人のハートにも良かれ悪かれ
かなりのインパクトを残すことは間違いない。
ある意味非常にPOPだ。
自分はもう氏の紡ぐ言葉が気持ち良くてしょうがない。
そんな町田氏のリリックがどろどろのブルースに乗って聞こえてきたら、
僕はもう衝天してしまう。
と夢想していたのが高校卒業ちょっと前のこと。
そのころはまだ町田康のうたを聴いたことがなかったので、
「作家の出したアルバム」という変な聴き方で
大学に入ったちょい後にこのアルバムを聴いた。
(ちなみにINUを聴くのはもっと後・・・逆行!・・・)
聴いてみるとイメージした以上に歌詞と演奏の相性がよい。
レゲエ、ブルース、ハードコア、バラード、ノイズ、なんでもアリなのに、
すべて「町田康」カラーに見事に染め抜かれている。
歌詞はまったく意味が分からないのに、
ずしりと耳に入ってくる。
あと、リズミカル。
(でも改めて町田氏の小説など読んでみれば、
非常にビート感のある文であった。)
これだけ雑多でもPOPなので、
本当に万人にお勧めできます。
個人的には非常に短いが忘れられなくなる「田螺」、
疾走するギターと氏のハスキーボイスが絡む「クイズに答えて」、
「ジャスティス!」のシャウトがかっこよすぎる「ハマダ正直」
の3曲が秀逸だと思う。
「うどん屋」とか「するめ」とか「民主的な手続き」とか
そういう歌詞が出てくる音楽を聴いたことがなかったから、
齢18の自分には新鮮で、これを聴いてから「パンク」ってこういうものだ、
という輪郭が少し見えた気がしている。
もっと前から聴いてればよかったなと思った。
リアルタイムで聴いてた人たちが羨ましい。
結局僕はINU時代も大好きなんだけど、
やっぱり世代もあって、初めて聴いたのが「町田康」名義だったので、
このナイスミドルな頃の落ち着いたハジケっぷりがどうしても好きだ。
さらに最近では陽水の曲も作ったりしていて、
徐々に活動のスタイルを変えながらも、
布袋と喧嘩して殴られて警察に駆け込むといったパンクっぷりを
依然発揮しまくっている町田氏。
新しい恋 井上陽水
(これがまた良い歌詞なんだな~。
あ、この曲の歌詞に関しては非常にシンプルですので。)
まだまだ若いし、
過去のアルバムはたっぷり出てるし、
スルメのようなアルバムばかりなので、
まだまだ楽しませてくれそうです。
新作も聴きたい。
ジャケットはアラーキーで、
町田氏の鋭く淡い不安定でセクシーな視線をガッチリ捉えている。
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