12/31/2017

私的2017年音楽作品番付 アルバム編 <洋楽>

ランキングや評価がAOTY Album of The Yearのようなサイトの台頭とSNSを通じて一般化・均一化されているような気がする。そして自分も例に漏れずケンドリック・ラマーを推すが、よく取り上げられるのが革新し続けるブラック・ミュージックとKing KruleやSZAのような大型新人で、ベテランアーティストの新作はなかなか評価されていない気がする。今回選出したBritish Sea PowerやThe Clientele、Arto Lindsayなどは、結構大手メディアでスルーされているのはなぜだろう。
そういえば相変わらずロッキング・オンは囲い込んだアーティストでいつもお馴染みのランキングをつくっていて、とても面白かった。


1. Kendrick Lamar / DAMN.

須藤凛々花の「DAMN.」TシャツでのDIS返しで妙なところで話題になってしまった作品。彼女はラップ好きらしいが、ヒップホップが好きな人というよりはロック全般、ブラック全般のファンから愛されている感のあるKendrick。因みに日本では「To Pimp A Butterfly」の方が売れたが、アメリカでは逆で過去作品の中で最高の売上となっている。


2. SZA / Ctrl

S→Zと来て、当然「A」となると思われていた作品「Ctrl」。ある種の完結といえば完結であり、RCAからのリリースとなる。TDEの華。


3. Thundercat / Drunk

ジャケを見て、これは来るぞ!と思ったが、予想通り快作。5〜6年前に大阪で行われたZETTAI-MUで、ドラゴンボールの孫悟空の格好をしたFlying Lotusのサポートで来日していたが(確かコスプレもしていた)、もはや単独で十分ホールを埋めれる人気になったことだろう。当時はまだベーシストの印象も強かったが、もはや総合力のある名コンポーザーた。日本への愛もちょくちょく感じさせるところがキュンと来る。さて、ここまでケンドリック繋がりだらけだ。


4. The War On Drugs / A Deeper Understanding

ベルベッツのジャケを模した作品(タイトルもThe Velvet Undergroundと掛けている?)。Bruce Springsteenの再評価が高まっており、The War On DrugsやDestroyerの存在が一役買っているのは間違いないが、今作ではそこを大きく踏み越えて、うたものへ大きくシフトし、U2中期作のようなスケール感の作品に仕上がっている。そして白眉はギターソロ。これまでギターというよりはシンセの色が強かったが、ここまで良いギターを聞かせるとは。


5. Charly Bliss / Guppy

私の中でnoodlesはガールズロックの1つの金字塔なのであるが、Charly Blissはその金字塔に迫る素晴らしい匂いを感じさせるバンドだ。某サイトではバブルガレージ・ポップと評されていたが見事な形容だ。キッチュさ・ローファイさをフルに活かしたキュートなバンド。


6. Waxahatchee / Out in the Storm

ここまで所謂ギターポップらしい作品だったっけ。いかにもアメリカンな乾いた空気を部屋に充満させてくれる心地よい盤。どの曲もキャッチーで勢いを感じる。ジャケのインパクト大な新作が話題となった実妹Allison Crutchfieldも参加している。


7. Beach Fossils / Somersault

これまで聞いたことなかったバンド。Real Estateのようなギターの爽快感。サックスのフィーチャーも心地よい。これからもずっと聴くだろうな。


8. King Krule / The OOZ

「Dum Surfer」で心奪われた。ノー・ウェーヴ好きにまでアピールする魅力。


9. Golden Retriever / Rotations

昨年聴きまくったAnenonと同じで、この手のミニマル+サックスのアンビエント(?)に弱い。疲れた時、何も考えたくない時によく聞いた。


10. Kamasi Washington / Harmony of Difference

やはりカマシは凄い。昨年あれだけの大型作品を残しながら、あっさりその壁を越える新作。


11. Big Thief / Capacity



12. British Sea Power / Let the Dancers Inherit the Party

大好きなバンドなのだが贔屓目に見なくても快作だった!セックスフレンド!


13. Shenandoah Davis / Souvenirs

名前も聞いたことなかったシアトルのシンガー。結構歴は長いらしい。あまり情報がないので素性はよくわからないのだけど、往年の名曲のようなナンバーがずらりの作品。


14. BROCKHAMPTON / Saturation II

突如現れた新人。I〜IIIまでカッコいい。


15. OMNI / Multi-Task

一聴して突然段ボールが浮かんで来た。元DeerhunterのFrankie Broylesによる新バンド。


16. Charlotte Gainsbourg / Rest

フレンチコラボ!


17. Fleet Foxes / Crack-Up

まさかの復活。


18. The Clientele / Music for the Age of Miracles (Deluxe Edition)

こちらも久しぶりの新作。去年知ったばかりだけど、過去作を漁りつつ聞いた新作はとても楽しめた。


19. Moses Sumney / Aromanticism

Radiohead?と思ってしまった。ケンドリック然り、Radioheadがブラックミュージックに与えた影響がじわじわ来ているのだろうか。


20. Arto Lindsay / Cuidado Madame

話題にならないのがおかしい。結構ボサノヴァに振れて聴き心地が良いものの、実験性を忘れないサウンドメイキング。


21. The xx / I See You



22. Julien Baker / Turn Out the Lights



23. Real Estate / In Mind



24. Alex Lahey / I Love You Like a Brother



25. Moonchild / Voyager



26. Turnover / Good Nature



27. Surfer Blood / Snowdonia



28. Jens Lekman / Life Will See You Now



29. Miguel / War & Leisure



30. Vagabon / Infinite Worlds



<選外>

Nightlands / I Can Feel the Night Around Me



Moon Diagrams / Lifteime of Love



Pond / The Weather



MOCKY / How To Hit What and How Hard (The Moxtape, Vol. IV)



Priests / Nothing Feels Natural