12/25/2015

オルタナティブ・クリスマス 厳選13曲+1

メリー・クリスマス!
マライアもメリクリも好きだけど、クリスマスだからってポップスを聞かなくてはいけないわけではない。ここではあまりアルバムに表立って収録されにくいオルタナティブ・ロックのミュージシャンによるクリスマス・ソングのうち、シングルのB面やコンピだけの収録となって埋もれたものを中心に掘り起こしてみました。


The Pogues feat. Kirsty MacColl / Fairytale of New York
定番ですね〜。ポーグスならそもそも何でもクリスマスに合いますけど。




Sun Ra Presents The Qualities / It's Christmas Time
実はサン・ラにもクリスマス・ソングがあったのです。




Mew / She Came Home For Christmas
高校時代の思い出です。「Frengers」は名盤。日本で根強く人気ありますよね。



The Blue Nile / Christmas Lights
未リリース音源で、ブートレグに入ってます。ブルー・ナイルはタイトルに「Night」と「Light」がつく曲が多いですよね。無論その2語がここまで似合うバンドもないですが。



Pale Fountains / Benoit's Christmas
リリースの少ない同バンドですが、近年リイシューされたシングル「Something on My Mind」に収録されています。




Ben Folds / Bizarre Christmas Incident

この曲はベン・フォールズらしい一筋縄ではいかない感じですね。



Belle and Sebastian / Are You Coming Over For Christmas?

とてもいい曲なのですが、10年くらい前のクリスマスでMySpaceにおいてイブと当日の2日間のみ公開配信されたレア・ソングなのです。



Ron Sexsmith / Maybe This Christmas
2012年に公開されたセッション動画から。




Bright Eyes / The First Noel
カバーですが、Bright Eyesならではのひとクセある仕上がりに。




Low / Just Like Christmas

ロウのクリスマスソングなんて・・・あるんですね。北欧が舞台の歌詞もロマンチックで素直に素敵です。



Weezer / The Christmas Song

ウィーザー・クルーズに乗れば聞けるのか? ライブでは聞いたことないです。



The Cure / Merry Christmas Everybody

「Copycats」のB面ですね。知る人ぞ知る名曲。




XTC / Thanks For Christmas
クリスマスの定番ソングであってもおかしくないくらいポップ。




The Fall / Hark The Herald Angels Sing
最後に・・・マーク・E・スミスもこんな可愛い顔してサンタコスとかするんですね(困惑)。素直にクリスマス・ソングとして受け入れられません。



では、素敵なクリスマスを。

12/23/2015

私的2015年音楽作品番付 アルバム編 <邦楽>

Moscow ClubやBo Ningenが世界で持て囃されたり、PAELLASやYkiki Beatがまるで洋楽のインディーと聞き紛うような海外とシンクロした音を鳴らしたり、ceroや星野源など元々オルタナティブ寄りのミュージシャンがブレイクしたり、Especiaやバンもん、Negiccoをテレビで見かけるようになった2015年。田舎在住のためすぐに聞けなかったHomecomingsのアルバムを年明けに東京で買い、そのまま一年間ずっと聞いてました。

1. Homecomings / Somehow, Somewhere
厳密には2014年のリリース。初回盤には可愛いニット帽が付いてたので衝動買い。今更ながら一般ウケもあり得る抜群のメロディーセンス。光と希望に満ちた、淀みのない純度100のポップソング集。

2. 入江陽 / 仕事
今年は「鎌倉」を何回聞いただろう。ただの日記のような歌詞がとてつもなく切なくドラマチックに感じられる。入江陽と大谷能生の紡ぎだす「絶妙」な世界観。一見捻くれているように感じたけど、一周回って超POPな仕上がりに。少し前のやくしまるえつことの共作のように、大谷能生はもっと女声ポップス関連の仕事をしてほしい。

3. 冷牟田敬 / noise myself

ジャケットも名前も相貌もサウンドも全てが美しい。

4. Negicco / Rice&Snow

ダウンタウンDX等、地上波への出演も増えていよいよブレイク目前まで来たNegicco。これはもはやベスト盤。connieさんの手許から離れた曲も多いが、当然違和感がないくらいにNegicco自体の力が増しており歌いこなしは完璧。

5. Sugar's Campaign / FRIENDS

スマッシュヒットした「ネトカノ」を含むアルバム。フォーマットはポップスながら、小粋な実験要素をチョイチョイかましてくる。J-POPの進化の歴史に刻まれるべき名盤。

6. 佐野元春 & THE COYOTE BAND / BLOOD MOON
ここ10年くらい佐野作品は殆ど聞いてませんでしたが、Apple Musicで上がっていたお陰で、久しぶりに佐野ワールドに浸らせて頂きました。初期を思わせる「境界線」で始まり、最後の爽やかな「東京スカイライン」まで、全体的に疾走感を感じさせる佳曲揃い。「BLOOD MOON」は日の丸のことかと思うが、やり場なのない悲しみと怒りを込めつつもポジティブなメロディーのタイトル曲「紅い月」にはグッときてしまう。コヨーテバンドの三作目ということで、前二作も聞いてみようと思います。ジャケがヒプノシスっぽい。

7. cero / Obscure Ride

黒人音楽のルーツ中のルーツを辿らなくても90年代にはニュー・ソウルが溢れている。当時は紛い物扱いされた向きもあった気がするけど、それは当時のおじさんたちの小言であって、ceroにとっては立派なルーツだったのだ。

8. きのこ帝国 / 猫とアレルギー
「あしくび」とか歌ってた頃と全然違う!「東京」を経て、シューゲイザーからガールズロックへとセルアウト!これはこれでカッコいい。「ありふれた言葉」やタイトル曲を聞きながらおれは営業に走る。

9. 髭 / ねむらない
髭といえば乱痴気ムードのパーティーロック!って感じのイメージでしたが、今作は独立レーベルからのリリースということで、これまでと少し違った雰囲気。イケイケな感じは多少抜けて、サウンドは空間的な広がりのあるものに。でもやっぱりちょっとキザで泥臭い髭の良さは残ったまま。リードトラック「ジョゼ」は正直過去イチの名曲だと思います。

10. bird / Lush
前世紀末から今世紀頭にかけてのディーヴァ・ブームの中で、大沢伸一プロデュースのもとスマッシュヒットを飛ばしたbirdであるが、完全に存在を忘れてしまっていた。新生MONDO GROSSOに客演した「LIFE」、コマーシャルソングで知っている人も多いであろう「空の瞳」等、名曲は多い。あれから15年ほど経ち、ディーヴァといえるディーヴァ不在のポピュラー音楽シーンで、海外のインディーR&B隆盛からやや遅れて日本でもあの頃とは違う新しいブラックミュージックが現れた。冨田ラボとの共作。凄まじい程の音へのこだわりを感じる。

次点
Especia / Primera


星野源 / YELLOW DANCER


北園みなみ / Never Let Me Go


Spangle call Lilli Line / ghost is dead

Awesome City Club / Awesome City Tracks


テニスコーツ / Music Exists Disc2


私的2015年音楽作品番付 アルバム編 <洋楽>

暗いジャケットが多いが、世相を反映しているのか。1と2にはぶっ飛ばされた。

1. Floating Points / Elaenia

神経科学の博士号を持つ知性派。マンチェ出身であるが、先輩たちのように踊れる音楽ではなく、真面目でどこかエスニックな電子音楽。Chari ChariやOvalが好きな人に勧めたい。

2. Roman à clef / Abandonware

Prefab Sproutに女声が加わったらステキだと思いませんか?メンバーからしてハズレのワケはないのだが、だいたいこういうドリームユニットには今まで裏切られてきたので…あまり期待せずに聞いてみたら恐ろしい程のアタリだった。メンバーは三十路前後で同世代。ディスコ隆盛(日本ではバブル)の終末期を物心もつかぬ中で少しだけ味わい、ダサさを感じつつもディスコサウンドへの憧憬は妙に拭い去れぬ世代である。白眉の「Bye/Gone」を聞いてみれば、きっと彼らの本来の所属バンドでも味わえない複雑で美しいサウンドがあなたの琴線に触れまくるでしょう。

3. Tame Impala / Currents

リリース時にはなかなか良さが分からなかったのだが、少し経ってからふと聞いた「Let It Happen」のリフレインに心を奪われた。サイケロックで括るには勿体ないほど情緒豊かでセクシーなアルバム。個人的な感覚としては、"チルウェイヴ感の残る数少ないバンドサウンド"として愛聴した。

4. Thundercat / The Beyond / Where the Giants Roam

Flying Lotusへの客演で注目を浴びたベーシスト。もちろんBrainfeederから。Kamasi Washingtonも参加しており、レーベル・カラーを象徴するような程よいジャズ感の作品。

5. Kamasi Washington / The Epic

気鋭の若手ジャズマン、"カマシ・ワシントン"。なんか最近、Hiatus KaiyoteとかZun Zun EguiとかHaiku Salutとか、日本国チックな名前が流行っているのかな?本名だったらすみません。私はジャズに明るくないので、この作品についてはただカッコいい!としか言えませんが、カッコいいです。

6. Deerhunter / Fading Frontier

消えゆくモノに関する誇大妄想気味の儚く希望のない歌たち。サマソニHostessのドタキャンは今でも悔やまれる。曲調は決してダークではないし高揚感もある。なんとなく"突き抜けた"というか、妙に"振り切った"清々しい印象で、最終作になりそうで怖い。

7. Hiatus Kaiyote / Choose Your Weapon

すごい情報量&熱量。これをまともに受け止め分析できるような器量はないが、決して難解ではなく、バカな私でも充分楽しめるポップさが何よりの魅力だろう。ヴォーカルのNai Palmも、ソロだったとしても充分にチャーミングであろう独特のフローと強い存在感を放ち、この人をさらっと擁しているというだけでもかなりゴージャスに感じられる。

8. Tuxedo / Tuxedo

引用に拠る既聴感を除いたとしても、豪華絢爛でドPOPな音は流石としか言いようがない。折しもDaft Punkが切り開いたディスコ・ソウル・リバイバルの隆盛、Zappらの再評価の真っ只中で、ここで出さないでいつ出すのかという絶好のタイミングでリリースされた時代を象徴する一枚。


9. SOPHIE / Product

安室ちゃんの「_genic」参加で日本でも知名度がアップしたSOPHIE。ベスト盤的な作品なのでまとまりがあるわけではないが、ミニマルでクセになる曲ばかりでおれ得な一枚。

10. Oneohtrix Point Never / Garden of Delete
削除の庭???...いや、お馴染みのネット文化を想起するとなんと無く意味は分からなくもない。本作は何故かPantera等のメタルの影響下にあるらしいが、それが寧ろよく分からない。この人を食ったような感じは 嘗てのAphex Twinのよう。サウンド面のカテゴライズはできないが、出自を異にするArcaの新作と合わせて、このような尖ったエレクトロニカが同時多発的にウケているのは偶然ではないはず。


次点
Belle and Sebastian / Girls In Peacetime Want To Dance


Julia Holter / Have You in My Wilderness


Grimes / Art Angels

Kelela / Hallucinogen


The Libertines / Anthems for Doomed Youth


The Weeknd / Beauty Behind the Madness


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