2/09/2018

No Age / Snares Like a Haircut



メディアがNo Ageの音楽を紹介する際に使う言葉としては、「ノイズ」、「ガレージ」、「パンク」、「アート」、或いは組み合わせて「ノイズ・ロック」だの「アート・パンク」だの雑多なそれっぽいものが挙げられるが、そんな煩わしい形容を吹き飛ばすような疾走感のある痛快なロックンロールが新作「Snares Like A Haircut」の特長である。
デビュー時の話題性は無くなり、ややひっそりと発売された感もあってあまり期待してなかった人も多いのではないかと思うが(SNSではそのような書き込みを見かけた)、恐らく一曲目「Cruise Control」から打ちのめされたことと思う。Sonic Youthの「Teen Age Riot」のような、とてもキャッチーなナンバーだ。そして2曲目からもキラーチューンが続く。とても気持ちよい。
全体的にはシューゲイザー色が強くなり、根幹となるギターのメロディーかつてない程美しくなっている。最高傑作だ。
学生時代、まだSonic Youthを余り聞いたことのない頃に、やたらとアート的側面が喧伝されていた為にどんな音楽かと聞いてみたらがっつりパンクロックでびっくりした記憶がある。同じようにアートの創作現場にこだわるNo AgeにはロサンゼルスのSonic Youth的存在として我が道をひたすら掘り下げて行ってほしい。