12/30/2011

私的2011年の音楽作品番付

私的に勝手にランクつけました。
毎年恒例のセリフ「今年も豊作でした」と呟いて、書き連ねます。
1. M83 / Hurry Up, We're Dreaming

M83 - Claudia Lewis
変な話、発売前からなんとなくナンバーワンになる気がしてました。それだけこの人の音楽は 確固たるものがある。数年前からじわじわと来てた感じがあるけど、今回はiTunesのプッシュ等もあり、出世作といえそうです。ここまできてもいい意味でインディー臭い、素晴らしいユニットですね。
シューゲイズノイズの彼方にオーロラの広がる夢のようなポップが溢れていた、そんな景色を見て愕然とするようなアルバムです。愛されて売れる。この売れ方は、2000年初頭のMercury Revみたいだと思いました。
2. Oneohtrix Point Never / Replica

Oneohtrix Point Never - Replica [OFFICIAL VIDEO]
低俗で下世話。そんな一見芸術からは遠そうな世界を、強烈にひとくくりに縛り、新しい音楽を提案するダニエル・ロパーティン。
サンプリングは1ツールに過ぎない。彼が理想の曲の完成形を頭に、狂ったように具材を探す姿が眼に浮かびます。
3. Bill Laswell, 中村達也, 山木秀夫 / Bass & Drums

どうしてこういうユニットになったのか、詳しい経緯は知りませんが、吉田達也ではなく中村達也とビル・ラズウェル、そして山木秀夫というかなり珍しい組み合わせでの重低アルバム。ドラムン・ベース!? とにかく聴いてて気持ちがいい。はやくPiL再結成してほしい。
4. 石橋英子 / carapace

Eiko Ishibashi (石橋英子) - Coda
ソロアーティストとして作風を確率された石橋英子さん。この人の諸作も毎回傑作だと思わせる何かがあります。
レコ初ライブ(with 七尾旅人)を観に行きましたが、とても繊細で素晴らしかったです。
ユニオン初回限定のボーナスディスクのギター弾き語りも良かったです。
5. Real Estate / Days

Real Estate - Its Real
日本、そして2011年各作品にもあまり無い雰囲気が、ツボにはまった原因でしょうか。オールドスクールのような、新しいような、どこかで聴いたような、不思議なバンド。
夕暮れとの相性抜群です。
6. 坂本慎太郎 / 幻とのつきあい方

君はそう決めた ( You Just Decided ) / 坂本慎太郎 ( zelone records official )
あまり期待していなかったが、やはり聴いたら圧倒される。シンプル&重厚。ピッチフォークかなんか、レビューしてくれれば世界でも多いに売れそう。
7. Gang Gang Dance / Eye Contact

Gang Gang Dance - "Chinese High" (4AD Session)
今作はどうも周りでは評判いまいちでしたが、ファーストから聴いてる身としては、今回はポップに化けるための工夫が感じられて好きです。高樹千佳子さんも推してました。
8. J Mascis / Several Shades Of Why

J Mascis - Is It Done (not the video)
忘れられそうにぼそっと出たアルバム。気取らない良さ。歳を重ねる事への無抵抗感。
ダイナソーと合わせてもう一回聴き込みたい。
9. The Psychic Paramount / II

The Psychic Paramount - n5.coda
ジャケからしてこれはありでしょう。
そもそもこのハズれまくったバンドに、アタリもハズレも糞も無い。
10. KETTLES / ビー・マイ・ケトル

KETTLES - 気にしてばっかり(PV)
ロックなハンバート ハンバートって感じです。ハンバート佐藤良成さんの声にどこか似てる。ケトルズは今年聴いた日本の音楽の中で一番「革命起こしたる!」っていう静かなアティチュードを匂わせていたように思います。
次点
Fleet Foxes / Helplessness Blues

Fleet Foxes - The Shrine / An Argument
上の楽曲を聴いて何となくぶっとんだ。良心的POP。
Alfred Beach Sandal / One Day Calypso

【PV】Alfred Beach Sandal「キャンピングカーイズデッド」
衝撃。こういうのが日本的だと思う。奇を衒ってるけど、聴き心地が良い。無理をしてるわけではない、この人は根っからの変態だと思う。今のアニコレ崩れのフリーフォーク・ロックやダブステブームが廃れた後に残るのはABSのような根の強い生き物でしょう。
Sun City Girls / Gum Arabic
Sun City Girls - Space Prophet Dogon
住所不定無職 / JAKAJAAAAAN!!!!!

あの娘のaiko / 住所不定無職
嗜好がバラバラの楽曲を個性で無理矢理一枚にまとめた感じ。もっと長編でもよかった。1つ1つの曲のクオリティは高いし、売れ筋も書ける強さ。
Tenniscoats / ときのうた
Tenniscoats - Ento (遠投)
久しぶりの新作。単純に表層をなぞったら次点だけど、もっと聴き込めば色々惚れそうです。
青葉市子 / 檻髪


青葉市子 - レースのむこう
この人の歌詞は少し気恥ずかしくなるので、あまり読み込まないけど、若さ故のようでいてこれからもずっとこんな歌詞を書きそう。とはいえ、絶対的ななにかを持っているし、メロディーセンスは素晴らしいと思います。もっと作品を重ねて、共作なんかしていったら大物になりそう。すでに大物感ありますが。「つよくなる」は新境地。着メロにしてました。
ventra / hide

miken by ventla
磯辺涼氏のツイートで知った日本の宅録ミュージシャンventla。トクマルシューゴと戸張大輔のミッシングリンク!とか書こうと思ったけど、どうも違う気が。サイトからはただならぬ機材へのこだわりを感じます。どんな人か、ライブでも見てみたい。
アルバムはすべてMediafireにて無料配布されていて、商業とかけ離れた趣味の極致のような作家。
趣味でも素晴らしい音楽は作れる時代。いや、むしろ資本の背骨無きの音楽好きの方が光るし歓迎される時代・・・SoundCloud発で売れるミュージシャンがそろそろ出てきてもいい気がする。
Neon Indian / Era Extraña


Neon Indian - Halogen (I Could Be A Shadow)
ネオン・インディアンはTwin ShadowやActive Child、How To Dress Wellらと合わせて就寝前によく聴いた。お世話になった意味を込めて。
オオルタイチ / Cosmic Coco, Singing for a Blllion lmu’s Hearty Pi
山本精一 / PLAYGROUND 〜acoustic
平賀さち枝 / さっちゃん
Washed Out / Within and Without
The Strokes / Angles
Scoobie Do / MIRACLES
Ringo Deathstarr / Colour Trip
The Do / Both Ways Open Jaws
The Drums / Portamento
Daughters Of The Sun / Ghost With Chains
Chara / Dark Candy
Sandro Perri / Impossible Spaces
tUnE-yArDs / W H O K I L L
Battles / Gross Drop
cero / WORLD RECORD
細野晴臣 / Ho So No Va
Girls / Father, Son, Holy Ghost

本当に豊作だと思ったけどねー。

12/25/2011

タテタカコ / 祈りの肖像


なんとなくクリスマスソングっぽいから選んだわけではないですが、カンボジアのキリング・フィールドを見てつくったというタテさんの渾身の一曲。このアルバムは石橋英子さんが絡んでいるというだけで買ったのですが、この曲を聴いてすぐにノックアウトされた覚えがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=MdLf8V167U8

踊ってばかりの国 / SEBULBA


踊ってばかりの国、はじめてちゃんと聴いた。
なんとなくプロダクション臭い感じもするけど、若手の割にすごく安定感のある世界を持っているように感じます。
資本に食いつぶされないように、乗っからないように、こういう音楽をつくるバンドに伸びて行って欲しいな。
SEBULBA / 踊ってばかりの国

11/26/2011

Twin Shadow / Forget


DeerhunterやAriel Pink、tUnE-yArDs、Gang Gang Dance等、最近まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでヒットを連発しているブームの4AD。
その4ADから、ニューカマー連発中のブルックリン出身のTwin Shadowがデビューしたのが一年ほど前です。
いわゆるチルウェーブですが、シンセや低音の感じと、ジャケはどう捉えても80s!
ありそうでなかったかなり独特な音のこだわりを感じます。
どこか物憂げな音は、The Blue NileやPrefab Sprout等を彷彿させます。
私がこのアルバムを聴いたのは2011年に入ってからであったので、以前ブログに書いた2010年ベスト作品の中には登場しませんが、発売と同時に聴いていれば間違いなくトップ3に入っていたと思います。
エレキングのサイトにも書いてあった気がしますが、この人はこの作品で終わることはないと思います。
非常にPOPな音を作れる事、そしてこのシンセの微妙な歪み、微妙な不協和音。こんな音を意図的に作れる職人が消える訳がありません。
それにまだ完全に開花しているとは言いがたい謎の(?)ゲイ風のキャラクター。
今はあまりパッと分かりにくい輪郭をもっと際立たせて、もっとドキドキする第二作を2012年にぶちこんでくれると信じています。
(Bagarreのカバーが最近公開されました。セカンド、発売も近いでしょうね。)
そのような”過渡期感”バリバリの名作。
Twin Shadow / At My Heels
Twin Shadow - At My Heels - 4AD Session
Twin Shadow / Changes (Bagarre Cover)
Twin Shadow - Changes [HQ Audio]

9/11/2011

JB / ルリパキダンス

へぶん


渕上純子(ふちがみとふなと)とbikke (LOVEJOY)のによるユニット「JB」のアルバムです。
原マスミ氏とDavid Bowieのカバーが入っていたり、趣旨がよくわからないテキトーで緩い印象で、買った当初は一発の企画モノ的な印象だったのですが、今日現在までバンドは継続しているようです。
アコースティックな印象を受ける二人のミュージシャンですが、牧歌的な歌い方にも激しくギターノイズが絡む「蒲公英」など、キャリアによる円熟を感じさせる曲が多く、心を揺さぶられます。
全体的にどの曲も聴き応えがあり、時間をかけて曲を練られた感じが伝わってきます。
発売時は羅針盤とかと対バンでレコ発してたような。

9/06/2011

Come / Rampton

キング・オブ・ゴミ


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Wikipediaの情報を少し拝借すると、Whitehouseを1980年に結成する前夜にWilliam Bennettが組んでいたユニットがこのCome(カム)。
一応歌としてギリギリ成立しているという点において、Whitehouseよりポップな印象です。
しかしなんといってもしょぼい!
ただひたすらつまらないノイズが、延々と続いていくだけ。
悪意剥き出しの超ハーシュなノイズ…。
タイトルも非常にお下品!(「Sex」、「Shaved Slits」)
ChromeやSwansのそれとも異なる嫌悪感!
何がしたくてこのレコードを作ったのか。
世の中の99パーセントの人はゴミとしか思わないであろうこの盤、ただときどき中原昌也氏等の著名人がメディアで取り上げることがある。
お情けか?と思いながらも、その理由を求めて、また何度も何度も聞いてしまう。
聞いてるうちに、これは当人たちはポップスをやっているつもりなのではないか?と誤解。
そんなことはないはずなのですが。
そのうち中毒になってきます。
今年のFREEDOMMUNE ZEROで出演予定であったWhitehouse。
私もチケットをおさえWhitehouseのみを目的として行くつもりでしたが、雨で中止となってしまいました。
Comeの再結成はまずないと思いますが、現在のWhitehouseはこっち方向には決して回帰しないでしょうから、ある意味貴重な音源のような気がします。
アートワーク含め、初期のザラザラした手作り感は見ていて飽きない。
以下のリンクにDiscogsの画像があがっているが、グロ注意なので、盤同様に変態趣味を持った方のみ閲覧願います。
http://www.discogs.com/viewimages?release=114490
come - shaved slits 2

倉地久美夫・菊地成孔・外山明 / うわさのバッファロー

心を切り裂かれる


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邦楽の「名盤ガイド」みたいな本を読みまくって、古今東西を聴き尽くして、さあ次は何を聞こうか、という人がたどり着くのがこの人「倉地久美夫」。
というイメージを勝手に持っている。
活動はローカルでマイペース。
そしてもちろんチャートに出てくる人ではないし、活動期間の割には作品はあまり多くないので、なかなか耳にすることはありません。
昨今は「詩のボクシング」で優勝したり、倉地氏を追ったドキュメンタリー「お庭にお願い」が公開されるなど、ポップな話題もあります。
曲中にも朗読がありますが、やはり心を打たれますね。
基本的には弾き語りで歌が軸ですが、本作のようにホーンが絡んだり、下の映像のようにセッションも多く、変幻自在な印象です。
(初期はフォークっぽい印象ですが。)
倉地久美夫×山本達久@浦添groove...1
溢れる言葉の力強さ故、この作品は最初バックの演奏いらねえと思ってましたが、ボーカルの輪郭はそのままで、言葉と言葉の合間をホーンが縫ってくれるような一体感が他の作品にはない魅力的で実験的な録音となっています。
雰囲気だけですが、Jeff BuckleyやIll Bone、Antony&The Johnsons(ジャンルバラバラですが)を思い出したりします。
決して変わった音楽ではなく、至極正統派であると思います。
少し前に豊田道倫氏、outside yoshino氏(eastern youth)とジョイントライブをしてますが、音楽の形こそ違えど、普段しゃべるような言葉で心の中へ切りつけるところは御三方とも共通しているように思います。
倉地久美夫
参加している菊地成孔氏はこの作品が出たタイミングではおそらく第一期Spank Happy解体後であり、いい具合にポップスを通過して一番脂が乗った時期だったのでは。
この後の活躍ぶりを見ると、菊池氏にとっても転機となったのかもしれません。
尚、同じくローカルベースに活動する浜田真理子さんもCDを出している美音堂から2006年にリマスター盤が、ジャケットを変更して発売されている。
こちらは私は未聴。

8/28/2011

New Order / Dreams Never End

80sを呪ってくれ



Joy Division「Unknown Pleasures」とNew Orderの諸作(特にブレイクした頃のワールドカップのポップな応援歌等)と比較すると、あまり共通点が感じられないように思う。
それはNew Orderとして残ったメンバーが90年代に生きる音楽を模索した結果というわけですが、アルバム「Movement」こそがそのターニングポイントであり、その中の「Dreams Never End」という曲がどう考えても更なるターニングポイントである。
何度聴いてもJoy Divisionが作ったアルバムにしか聞こえないが、この「Dreams Never End」を一曲ぶち込んだことにより、このアルバムは神格化され、よりドラマチックになり、次世代の音楽として持ち上げられた。
しかし音楽の方向性に関しては相当葛藤をしたのではないか、というような面もなんとなく伺えるような内容となっている。
「Dreams Never End」というタイトルも、Ian Curtisのことを考えると、意味深である。。。
不器用なイメージがあるバンドなので、以上の事は図ってか図らずしてか、まったく不明であるが、まあそれでこそNew Orderということで、これからの作品にも期待したい。
New Order / Dreams Never End (Live)
New Order: Dreams Never End @ NYC 1981
「Movement」のアナログ盤を持っていますが、CDで聴くのとはまた異なる味わいがあります(マジで)。
Movement [Import, From US] / New Order (CD - 1992)

The Millennium / Begin

50年前の音楽と思えない、なぜ売れなかった?



リリースはThe Beach Boysの「Pet Sounds」と同時期で、共通するような部分もあるソフトなロック・アルバムです。
世間的にはあまり知られていませんが、個人的には「Pet Sounds」より良いアルバムだと思っています。
私がこのバンドを知ったのは大学以降なので既に2000年代に入ってからですが、1960年代のバンドなのに名前が「Millennium」=「千年紀」というのが変わってるなーと思い、印象に残っていました。
その名の通り、という表現もおかしいですが、第二の千年紀を10年ほど前に迎えた現在でもまったく色あせない、サイケロックが流行る昨今でも十分通用する音楽だと思います。
(「MGMTだよ」といって聴かせられたら、きっと信じ込むのではないかというほど。)
中でも特に「There Is Nothing More To Say」はこれまでカバーなどあまりされていないのが不思議です。
The Millennium / There Is Nothing More To Say
The Millennium-THERE IS NOTHING MORE TO SAY(和訳)
唯一知っているカバーがこれ。
割と好き。
確かアルバム「Romance」に入ってます。
Great3 / There Is Nothing More To Say (Cover)
THERE IS NOTHING MORE TO SAY

8/20/2011

Chara / Dark Candy

mabanua氏の凝った音作り


ほぼmabanuaとの共作といってよいでしょう。

タモリと灰野敬二

サングラス共演


十数年前の「笑っていいとも!」内のウッチャンナンチャンのコーナーで、『恐怖のCD』というのがあった。
B'zのCDのはずなのに、奇声が聞こえ、かける度にボリュームが変わったりするという恐ろしいものだ。
もちろんリアルタイムでは見ていないので、YouTubeで映像を見たわけですが、後から聞いたらこのCD、なんと灰野敬二氏の「滲有無」だったらしい。
プレスミスなのか、視聴者のいたずらなのか、局の仕込みなのかは分からないが、灰野敬二の音楽が地上波でかかることなどまず他ではないでしょう。
サングラスという共通点以外にも、何かとアウトローな匂いのする両者、なんとも奇妙な引き合わせだったように思う。
Keiji Haino / Lost Aaraaff - Track 3 (c.1970)

5/08/2011

YUI / 夢の中 (BO GUMBOS カバー)

意外なカバー。


直接動画を貼付けできんのですが、
「僕らの音楽」内でのカバー企画です。
http://v.youku.com/v_show/id_XMTkyNzcwNzA4.html

2/12/2011

イル・ボーン / 死者

永遠の80s



80年代のロックをリアルで体験している人なら知っているかと思うけど、
イル・ボーン、ILL BONEです。
もちろん私は後追いです。
アナログ盤を最初に聴いて、
そんでCDがSSEから海賊盤的に出ているのを知り、
そちらも購入しました。
これ聴くと、日本の後期ノーウェーブのエッセンスを
余す所無く味わえるのではないでしょうか。
ちなみに自分の考える80sは、
怪しいギター、チープなシンセ音、民俗臭のするドラムス、って感じですね。
現在ボーカルの中田氏は、
スポーツ関係のライターさんをやられています。
「パンクからブルースになった」って言われたの事実で、当時、人民オリンピックショーをやってたマチダさんから「演歌じゃん」ってくどくどからまれたことを思い出した。
 今でもカミサンがアルゼンチンなんかに旅立つと、素っ裸でセックス・ピストルズを歌い踊り狂う47歳ではあるが、80年代、ただただ、パンクに青春の汗を流しに来る客が本当にいやだった。わしも今や「スポーツライター」の端くれなんで、「野球やれ!」だよね。
 だから、バンドがいっぱい出るイベントでは全部、「前座でお願いします」だったのよ。機材がへたるのがいやだったのもあるが、「踊るぞ!」って気合入れてるヤングの腰を折りまくってへなへなにしてやる、が、けして仲のよくなかったわしとミノワくんとの共通認識だったし。トランスのイベントでは冷遇、ってのは半分本当で、半分は「冷遇してくれ」だった。女の子に人気がなかったのは100%本当だけど。
 トランスの人って普遍がまるでわかってなかったでしょ。時代と組み合わせと編集と偶然、って感覚。それもいやだった。レコード出してくれたことはもちろん感謝、だが。下手だしね、わしら。
 バンドをやめた理由は、完全な失語症。イル・ボーン後期を聴いてくれた人はわかると思うけど、バンドを維持するためだけに新曲を書こうとし、一語も発することできなくなって逃げた。今考えれば、休養すりゃいいのに。
 でもまあ、80年代をスカだのクソだの書いてお金をもらっている人に「そうですねえ」とはわしは言わない。

引用元: ブログ「中田潤が無料予想 競馬で「喰えるダメ人間」になろう!」(http://bit.ly/ib8dbC)
貴重な過去への言及です。
前身の造反医学の音源も、死ぬほど聴いてみたい。
「死者」はしゃぶりつくしたと言えるほど聴きまくりました。
嘆美。

1/23/2011

青葉市子 / 檻髪

マヌカハニーとプロポリスで



青葉市子さんによる弾き語りセカンド。
出たばっかしですが、レビューしてみます。
っ ★★★★★ ですね。
昨年のファーストがとても素晴らしく、
「光蜥蜴」や「遠いあこがれ」
など何度聴いたか分からぬほどでしたので、
かなりの期待をもって購入しましたが、
見事に期待通りでした。
弾き語りって、やはりバンドアンサンブルに比すると
音数としては少ないわけですが、
彼女の年齢をやたら取り上げて
天才天才言うメディアにも言えますが、
感知できる絶対数の多少は何の意味も持ちません。
音が少ない事に因る間、
隙間の埋め方が非常に奇麗。
且つ相変わらずマイペースなリズムで、
まるでライブで聴いているような仕上がり。
と思うのです。
音の広がりとしては、
ちょっとボサノバっぽい風味が加わったりして
(歌詞にも出てきますが)
とてもポップです。
「つよくなる」みたいな、
ちょっと面白い曲もあって。
吹いてしまいそうですが、
淡々と歌われていきます。
あと、
これは本人は喜ばないだろうけど、
青葉市子の歌を聴いていると、
ジブリの映画がいつも浮かんでくるのです。
和うと思う。

山本精一 / まさおの夢

まさおのこどもはこまさお



山本精一さんの「PLAYGROUND 〜acoustic」を買ったので、
最近よく聴いています。
Phewさんとの共作やNOVO TONOも聴いてたので、
知ってる曲が何曲か収録されてるのですが、
その中でも久しぶりに聴いてはまってしまったのが、
この「まさおの夢」です。
そんなに前はひっかかっていなかったんだけど。
ほら、奥さん、見てってよ。
山本精一 & Phew - まさおの夢
タイトルは言わずもがな、
歌詞も相変わらずシュールというか、
抽象的で、
ぐるぐる回って答えの出てこない、
とてもアシッドな、
もやもやの中に消えていく山本さんらしいものです。
なんとなく哀しさがあるんですよね…。
まさおなのに…。
いろんな人がカバーしてるので、
聴き比べても楽しい。
良い時代ですね。
・東口トルエンズの山本久土さんによるカバー
080217久土'N'茶谷 まさおの夢
・PhewさんとAunt Sally、Lovejoyのbikkeさんによる(セルフ?)カバー
まさおの夢 Phew x bikke
皆さん、決して歌唱力でははかれない、
素敵なシンガーだと思います。
大好きです。

The Fall / Fall Heads Roll

堕ち行く音楽



The Fallこと、Mark E Smithの歌詞は、
ローカルなことを歌われているというのもあり、
日本人で頭の悪い私には意味が分かりません。
多分意味もありません。
そこが本当は悔しいところなのですが、
その放たれる音楽に集中できるというのもまた1つ、
アリな楽しみ方だと割り切って聴けば、
怒号やぼやき、祈りの気持ちがひしひしと、
音から伝わってきて、
彼の気持ちを理解したような気持ちになる。
このアルバムは特に、
レゲエのような下地もあったり、
ラップのようであったり、
実にフリースタイルです。
今までのアルバムよりあえて聴きやすいよう
演奏がかなりポップに仕上げられていて、
なんだか気合いの入った一枚だと感じます。
このような音楽の生まれる
マンチェスターという土地は
いったいどんな所なのか。
妄想が膨らむばかりです。

1/05/2011

私的2010年の音楽作品番付

一回こういうの書いてみたかったの。


ランキングっていうよりは、ラレツです。
でもトップ5までは特に良いなっておもったやつで、
番付になってます。
1. 七尾旅人 / billion voices
・・・圧倒的作品。音もメッセージも全てが時代と同期した、個人的には「911 Fantasia」より重いと思う作品です。そして今の音楽の置かれた状況をいかに楽観的にポジティブにとらえることができるか、という挑戦でもある。
2. 青葉市子 / 剃刀乙女
・・・七尾旅人さんとはまた異なる意味でシンプルな構成で曲を作っている。ありふれた言葉も情景も、少し配列や見方を変えれば違う穴から脳に突き刺さる。当たり前のことなんだけど。「遠いあこがれ」の『あなた』のようなフレーズ、節々に埋め込まれた無限のイメージをさらりと歌うパワーと声の深さ。この年でこの作品・・・恐ろしく可能性を秘めたシンガーやと思います。
3. Flying Lotus / Cosmogramma
・・・キモチよさのみ!!
4. bloodthirsty butchers / NO ALBUM 無題
・・・「ノイズ」の『Ah 耳を澄ませば この世の雑音が踊ってる Ah 君の足音が 世界の雑音とこだまする 世界の狂気と握手をしている』という歌詞は2010年一番心に残った!
5. ROVO / Ravo
・・・勝井さんをTwitterでフォローしてからなんか身近に感じるようになったというかそのせいか分からんけど、今までのROVOにはない妙な暖かさがあったのが、おもろいと思った。
6. やくしまるえつこ / ヴィーナスとジーザス
7. クラムボン / 2010
8. 蓮沼執太 / Wannapunch!
9. トクマルシューゴ / ポート・エントロピー
10. The Drums / The Drums
11. やけのはら / This Night Is Still Young
12. Jim O'Rourke / All Kinds of People - Love Burt Bacharach
13. スピッツ / とげまる
14. 相対性理論 / シンクロニシティーン
15. OKAMOTO'S / 10's
16. ふくろうず / ごめんね
17. 石野卓球 /CRUISE
18. Deerhunter / Halcyon Digest
19. Salyu / MAIDEN VOYAGE
20. Perfume / ねぇ
21. 豊田道倫 / バイブル
22. HIFANA / 24H
23. Holy Fuck / Latin
24. world's end girlfriend / Seven Idiots
25. Neil Young / Le Noise
べたべたですみません。
方向性ばらばらです。
言葉・演奏・メロディー・意思の尖ってて、
気持ちのよいものを自然と選んでいると思います。
在日ファンクはまだ聴いてないんだけど、
聴くべきよね。
M.I.Aはなんだか言葉に弱さがあって、
ちょっと痛々しかったのが悲しかったから…。
Dead Weatherもよかったなー。
再発では、
Earth / A Bureaucratic Desire For Extra Capsular Extraction
Cornelius / Fantasma
うむむ、よかったと思います。
まあそんなこんなで、大豊作な一年やったかと思います。

1/03/2011

BO NINGEN / Koroshitai Kimochi

日英親善大使



語れるほどの情報を持っていないのですが、
遠い地、倫敦で活躍する日本人のバンド「BO NINGEN」。
こう書くと、ほんまに活躍しとるんかい、
なんて思われそうやけども、
実際の向うの雑誌によく載っとります。
ええ、この目で見ましたとも。
とにかく、とてもねっとりしてて、セクシーでチャーミングなバンドです。
(なんかいい加減な感じだな。。。)
海外で日本語を貫くというのはけっこう大変なのかな。。
それとも意外と「オージャパニーズサイケ!」みたいな感じで、
やりやすいのかな。
Bo Ningen- Koroshitai Kimochi
ギターの子はともだちんこなので、
3〜4年前に知り合い伝に一度此処日本でLIVEを観ておりますが、
当時と比較するとかなり音と言葉が研ぎすまされて心にブスブス来るサウンドになってます。
つまり前より好みということ。
只今来日公演中ということで、必ず観に行きます、最前線。
あと、よくノイズと評されたり、DMBQと比較されているのを見ますが、
個人的にはファントムギフトがいつも何故か浮かんでくるのです。
魔法のタンバリン/ザ・ファントムギフト
ファントムギフトは日本語を決して殺さずに、
克つサイケのリバイバルにも終わらないような
強いオリジナリティと言語感覚を持ったバンドだったと思いますが、
BO NINGENも同様。
両者ともリフが濃くてかっこいいですよ。
加えて、アコギ1本でも十分歌えるような、
冷静さのあるメロディーです。
アコギ1本でも歌えるか、ってのは、僕の中で
いつも勝手に考えている1つの基準なのですが。
まあとにかくノイズって括るのはナンセンスです。
どっかしかのメディアは思いっきり書いてましたが。
Bo Ningen - Atami
「さあ踊りましょう あとの祭りで」
・・・痺れた。

FocalPointComputer / TUNEWEAR WATERWEAR for iPad

風呂がリビングに。



これさえあれば、マジで無敵です。
風呂場の中が書斎になり、
創作場になり、
レコーディングスタジオになり、
リスニングルームになり・・・。
乙な需要にも答えるTunewear、さすがの一言です。