12/31/2018

私的2018年音楽作品番付 アルバム編 <邦楽>

1. カネコアヤノ / 祝祭

今年の作品の中では圧倒的であり、一生聞くのだろうなと思ったりする。
バンド色が強くなり、これまでの作品とは一線を画すインパクトある出来に。ライブだと尚一層である。

2. 七尾旅人 / Stray Dogs

9.11も3.11も七尾旅人は全て真摯に作品の中に込めてきた。喜怒哀楽なんて言葉では括れない思い。直近のブランク期間は5〜6年にもなると思うが、その間しばしばメッセージ性の強い言動を目にしてきたことも多々あり、出来上がる作品はどんなに感情的なものになるのだろうと思っていたが、意外にも帰結したのは美しいポップ・ミュージックであった。なんとも集大成感のある、力強い作品。

3. 青葉市子 / qp

いつものあの安定感。

4. サニーデイ・サービス / The CITY

ヘアスタが参加していたことで過去のQJの伝説の曽我部・中原対談を読み返した。中原氏が不条理でふざけまくった振りをして、曽我部氏がそれを遇らうように答えていくカオスな対談が掲載されているのだが、中原氏の無茶振りも今のとなっては意外と的を得ていたんじゃないかってくらいこの作品はぶっ飛んでる。曽我部氏が最後に「意外性は追求していない」と言っていたが、流石に20年も経って全然変わるものだろう、意外性しかないアルバムだ。でもこの何処へ向かうのか分からない感じがたまらなく好きだ。

5. Homecomings / WHALE LIVING

日本語にチャレンジしたホムカミ。今作までのEP等がまさに過渡期だったことがよく分かる労作という雰囲気。

6. 折坂悠太 / 平成

EPから出来がすごい。出るべくして出た名盤。

7. パラダイス・ガラージ / 愛と芸術とさよならの夜


8. マテリアルクラブ / マテリアルクラブ

まさかベボベの小出氏のユニットだったとは!

9. 前野健太 / サクラ

バンド時代から大好きだけど、ちょっと前から歌い方に変なクセがついていたので少し聞かなくなっていた前野氏。しかし更にそれを振り切って大御所歌手のような貫禄のある歌声を手に入れていてびっくり。この人はやはり歌手だよなぁ。

10. Okada Takuro / The Beach EP

ポップさと難解さが混在する感じが森は〜の時と同じなのだけど、テーマ性がややぼんやりとしていて、魅力に欠ける。サウンドはもう最高。早くフルアルバムを聴きたいと願う。

11. 思い出野郎Aチーム / 楽しく暮らそう

名前で敬遠していたが聞いてみればいいものですね。

12. SaToA / スリーショット

アンニュイでポップで素晴らしいバンド。noodlesがあまり表に出てこない今、猛烈にこんなサウンドを欲していた。音源出すたびにかっこよくなっている。

13. 1000% SKY / 1000% SKY

相変わらずの捻くれ感。クセになる。

14. evening cinema / CONFESSION

前作同様完成度高すぎるソツの無さすぎるバンド。岡村感は相変わらず。

15. きのこ帝国 / タイム・ラプス


16. cero / POLY LIFE MULTI SOUL


17. Tsudio Studio / Port Island


18. Lamp / 彼女の時計

コーラスも演奏もいよいよ円熟してきた感じがする。

19. シャムキャッツ / Virgin Graffiti


20. Boyish / めざめ


21. sooogood! / sooogood!

カラスは真っ白ってなんとなくロキノン系ロックだと思ってたけど、ファンキーなバンドだったのね。完成度高いしアートワークも良い。

22. 曽我部恵一 / ヘヴン

Kids See Ghostsに感化されたんじゃないかなぁ?気のせいか・・・。最近の曽我部氏の作品は確かにヒップホップとの境目が無くなりつつあって、違和感は全くない。ここまでシームレスなのもすごいと思う。

23. GEZAN / Silence Will Speak

ポップなブラックメタルみたいな曲から始まってひたすらゴリゴリでありつつメロディアス。マヒトゥさんは出身が同じ高校なのだけど、Tony Molinaみたいな人なのだろうな。

24. tofubeats / RUN

25. 曽我部恵一 / There is no place like Tokyo today!
多作すぎる。

私的2018年音楽作品番付 トラック編 <邦楽>

1. 平賀さち枝とホームカミングス / カントリーロード

このメロディは圧倒的だ。ガールズロックのトップに君臨するであろう二者による2度目のコラボEP。畳野さんのツンツン声と平賀さんの柔らかい声の相性も最強。二人の女性が左右の耳元で歌っているような快感。

2. カネコアヤノ / Home Alone

今年は何から何までカネコアヤノであった。

3. butaji / 抱きしめて

正統派のインディーR&Bという感じですが、そのルーツは例えばトム・クレルがバックストリート・ボーイズから影響を受けているように、やはりJ-POPないしJ-ブラック・ミュージックの王道なのだろうと思う。大衆歌のフィールドで戦えるソングライターでありシンガーである。

4. 七尾旅人 / スロウ・スロウ・トレイン

そのbutaji氏も敬愛する七尾旅人の新作から。これがリードトラックになると思っていたが全然違った。だからMVもない。"湘南新宿ライン"をこんなにロマンチックにできるのはこの人だけ。

5. 前野健太 / 人生って

昔から歌っていた曲だと思うが、改めて録音版を聞くと前野氏の声の迫力に圧倒される。「アァート・ブレイキィイイー」のところが絶頂。

6. 1000% SKY / 夏の女たち

こんなソロ・プロジェクトがあるなんて知らなかった。80sの日本のインディー感のあるジャケットも面白い(100% ORANGEのイラストらしい!)けど、昆虫キッズ時代よりのびのびしてる感じもあり。高橋翔に加えて、高原宏佑(ANTENA IN YOU2)、本田琢也(ELMER、ex. 箱庭の室内楽)、藤村頼正(シャムキャッツ)とこの界隈好きな人はたまらん感じ。藤村氏の掛け持ち具合もすごい。

7. 豊田道倫 / シャーク

年末に出た曲ながら一聴してやられた。タバコ推しの豊田さんかわいい。何処となく集大成感のあるナンバー。のもとなつよさんがMV出てるせいだろうか、昆虫キッズとのコラボ作とかmtvを思い出す曲でもある。

8. Homecomings / Parks


9. Lamp / 1998
10. evening cinema / 忘れるまえに


11. 折坂悠太 / ざわめき


12. BiSH / PAiNT it BLACK


13. SAKA-SAMA / 終わりから
フリーで配布されていたEPから。ゆるめるモ!を思い出してしまうんだけど、もっとシューゲイザーというかドリームポップというか。

14. 思い出野郎Aチーム / サマーカセット


15. カジヒデキ / 夏の終わりのセシルカット


16. Analogfish / Sophisticated Love
Analogfishってこんな音だったっけ?昔の印象と違って曲名どおりソフィスティケイトされててびっくりした。カッコイイ。

17. 踊Foot Works / Bebop Kagefumi
地上波の番組で見かけてハマった。なんかキャラ濃いし売れそうだ。全盛期のリップスライムのような、洒脱さとポップさのバランスが絶妙に取れた感じが実力を匂わせる。

18. サザンオールスターズ / 壮年JUMP 

爽やかだなぁ。多幸感溢れるテレビの演出にちょっとうるっと来てしまったりする。

19. きのこ帝国 / 金木犀の夜
この人たち、アルバム全体だと捨て曲も多いんだけど、一曲めちゃめちゃいい曲が入っているんだよな(あと5曲くらい結構いい曲が入っている)。

20. Enjoy Music Club / 100%未来 (feat. 三浦直之)
ゴッドタン常連になっているEMC。歌詞の引用や固有名詞含め、この曲は内容が分かりすぎてある意味つらい。心打たれた人多いのではないだろうか。ちょっと前のQJ読んでる人は絶対避けて通れないだろう。歌詞に出てくる「ポップ・カルチャー全般」というより、ややサブカル寄りの感じもするが。

21. lyrical school / 常夏リターン
韓国の航空会社で起きたナッツ事件をパクってしまったタイトルの時点でもう流石って感じ。

22. 女王蜂 / HALF
久々に女王蜂のかっこよさを感じられた。アヴちゃん輝いてる。

23. SHISHAMO / 水色の日々
アレ、SHISHAMOって意外とカッコいいな・エモいなと思ったらば、プロデュースがなんとコバタケ!悔しいけどおれはコバタケのアレンジに弱すぎる。

24. ギリシャラブ / ペーパームーン

クセの強い歌詞。

25. コントラリーパレード / スーパースター
新作いい予感がする。いつまでたってもコンパレは瑞々しい。

12/28/2018

私的2018年音楽作品番付 アルバム編 <洋楽>

1. Kali Uchis / Isolation

全曲いい。デビュー作にしてベテランの風格のある完璧な出来。KING以来の感動。しかもエロい。客演も豪華。様々なジャンルがクロスオーバーする中、どこを切ってもカリ姐さんでしかないその個性。2018年の金字塔。

2. Snail Mail / Lush

言わずもがなの話題の新星。ローファイの未来を背負って立つ存在。これはCDで聴くものではないと勝手に思い込み、ヴァイナル買ってしまった。本当はカセットが欲しかった。

3. No Age / Snares Like a Haircut

これまでのNo Ageより圧倒的に聞きやすい。こんなにノれる音だったっけか?「Nouns」から10年、時代も変わった。

4. Jeff Rosenstock / POST-

恐ろしいほどのメロディー・メイカー。ライブで見たい。アンセム「USA」、軽快なメロディック・パンク「Yr Throat」、泣きメロ「TV Stars」など聞きどころ多し。

5. Spiritualized / And Nothing Hurt

キャリア最終作との噂もあるアルバム。全てジェイソン一人で自宅録音をしたとのことで、音の丁寧な作りと一人オーケストレーションに感激する。メロディーもバシっと決まっている。前評判は宇宙だの壮大な世界観だの書かれていたが、それはそもそもこのバンドの音自体昔からそうなのであって、今作は今までのイメージである「宇宙」より、どちらかというと「密室」のような距離感と温かみを感じる。アルバム一枚通して聞いて一つの組曲のような完成度は流石である。

6. Mitski / Be the Cowboy

一気に彼女をスターダムに押し上げた「Nobody」だけでなく、「Geyser」など佳曲だらけの名盤。アートワークも自前だとか。自作が正念場か。

7. Pinegrove / Skylight

まさかPinegroveにスキャンダルが起きるなんて思ってもいなかった。作品と個人は別という考えに立ちつつも、どうも聴きながら気持ちが乗らなかったのが今作。内容は素晴らしいがもう一皮剥けてほしい。

8. Tony Molina / Kill the Lights

元々ハードコアの人らしい。確かにジャケットはそんな雰囲気がある(音・ジャケ含めGRIMを思い出してしまった)。ハードな音楽も、メロディーラインだけ抜けばこんな美しい音楽なのかもしれない。

9. Kids See Ghosts(Kanye West & Kid Kudi) / Kids See Ghosts

「ye」より聞いた。とことんPOP。ショートでシンプル。

10. Leonardo Marques / Early Bird

全然知らないアーティストだが、たまたまエレキングで見かけて聞いたらハマった。去年はArto Lindsayのアルバムをよく聞いていたが、ブラジリアン・ベースのポップスが好きなのだと気付いた。

11. Anenon / Tongue

私の贔屓するBrian Allen SimonことAnenonの新作。前作同様ぼやっとした音響と温かみのあるミニマル感の虜に。

12. Kanye West / ye

Kid Kudiとの共作同様、コンパクトにまとめられた作品。体制よりのスタンスへの批判が相次ぎ、病んでしまったカニエ。その精神状態が露骨に出ている。「No Mistakes」なんて聞くと私も泣きそうになる。

13. Kamasi Washington / Heaven and Earth


14. Mr. Fingers / Cerebral Hemispheres

Larry Heardが昔在籍していたということで名前を聞いた事はあったが、まさか新作を聞くことができるとは思っていなかった。シカゴ・ディープの新名盤!仕事が捗る!

15. illuminati hotties / Kiss Yr Frenemies

荒削りなポップ・パンク。ソロ・ユニットらしい。Tiny Enginesから、カセット版もあり。昔だったら聞くことすらできなかったかもしれないけど、サブスクやBandcampがある時代でよかった。

16. Kyle Craft / Full Circle Nightmare

こちら に書きました。

17. Deafheaven / Ordinary Corrupt Human Love


18. Young Fathers / Cocoa Sugar


19. Lylo / Post Era

80's感・ニューウェーブっぽさもありながら、ホーンも絡むプログレのような音。すごく好きです。ちょっとスカスカで浮遊感のある感じが独特。これは聞き逃したら勿体ない。もっと聴きたい。

20. Jason Halliday / Jason Halliday

発掘系の音源ではこれ以上のものはなかなかないであろう、私家版にしては豪華過ぎる一作。とはいいつつ、ニュー・ジャック・スウィング生誕30周年ということと、音楽的ムーブメントが一周したこのタイミングで公開されるのはある種ベストだったのかもしれない。甘すぎる。

21. Wild Pink / Yolk In The Fur


22. Pusha T / Dayton


23. Yves Tumor / Safe In The Hands Of Love

クィア化したIDMというのは2018年のキーワードであった。serpentwithfeetにしてもLoticにしても、同時多発的に同じようなことが起きるのは、ポピュラー電子音楽の煮詰まりと多様性を求める時代の欲求と合致したということだろうと思う。

24. Nedelle Torrisi / Only For You

ひっそりと新作リリース。音楽通の間で話題となりジワジワ売れた前作が好きな人、絶対裏切らない傑作です。


25. MGMT / Little Dark Age


26. A$AP Rocky / TESTING


27. Kecey Musgraves / Golden Hour


28. Superorganism / Superorganism


29. Tom Misch / Geography


30. Beach House / 7