12/12/2010

麓健一 / YOU DON'T LIKE LOVE SONGS

Sweet Comedy



ロックの伝説だとか歳月をかけた大傑作だとか、大きな冠を載せられた盤より、
ひっそりと出てあまり知られていないアルバムが素晴らしい作品だという事はよくあります。
この麓健一氏のアルバムも、
CD-Rというメディアで、2000年代にこそこそっと滑り込んだ傑作。だと思うのです。
2000年代の雰囲気を特にまとっているわけでもないのですが、
この時代だからこそ注目され、生まれた雑食フォークのように感じます。
匿名的な物語の紡ぎ方と抽象的な雰囲気、
そしてシューゲイザー的なサウンドの志向は、
どことなく木下理樹氏のインディーズ盤を思い出します。
あと、スローなM83でしょうか。
際立って良いのは、「美化」でも共演しており、
発売元の美人レーベルオーナーでもある
にせんねんもんだい高田正子氏との共演(デュエット)部分。

YOU DON'T LIKE LOVE SONGS CM
http://mediaservices.myspace.com/services/media/embed.aspx/m=25770110,t=1,mt=video
麓健一 | Myspace Music Videos

このCMでも共演策「時と鏡」がフィーチャーされています。
美男美女カップルです。

これは七針でのライブ。
七針みたいな場所がよく似合いますね。
あと、アコースティックで聴くと、CDとまた色合いがかなり異なるのがいいですね。
麓健一 "四月になる前に" @七針

12/06/2010

Rising Sun Rock Festival in EZO 2010

誰のせい? それはあれだ! 夏のせい


RSR10。
終わってから空港で爆睡し、機内•車内で爆睡し、自宅でも爆睡した。
左遷BOYS、日の出づる音の国の天子として、レビューおたくとして、
要望皆無ながらライジングサンロックフェスの次第と所感を空港~自宅よりつらつら簡潔にディスクリプション!
(空港の周りに何もなくて超ひまだったので、ずっと書いてた→超細かい!)
三田純こと観た順↓
1日目
●チャットモンチー→聴いてた学生時代がフラッシュバックして憂鬱に・・・。ベース可愛い。
●KAN→バリバリ現役(原液)、チラ見程度だけど、かなりファンキー。ビリージョエルみたい。かの「愛は勝つ」は聞けず。
●Cocco→好きな曲は聞けず。声が超きれいて雰囲気バグツン。MCが相変わらずカタコトっぽくて可愛い。連れが、ex.くるりの大村がギター弾いているのをハッケン!
●トクマルシューゴ→名曲「パラシュート」「ラムヒー」が大盛りあがり。トークがきょどっててかわええ 栗コーダー「ピタゴラスイッチの曲」、バグルス「ラジオスターの悲劇」カバー有り!!なにカバーしても染まる抜群の個性。
●ラブ・サイケデリコ→惜し気もなく「Last Smile」「Everybody Needs~」「Lady Madonna~」等シングル神連発でかなり湧く。「ノスタルジック~」聴きたかったー。バックバンド巧すぎ。デリコやるのにステージ小さすぎ。俺ノリノリ天国すぎで失禁。周りにも失禁しまくる人々。すぐ乾かすバグツンのHEAT BEAT。
●OGRE YOU ASSHOLE→相変わらず浮遊感のある草食な良いロックバンド。シングルやってた。ちょっと見。なぜかサカナクション見たくなる。
●GRAPEVINE→長田進との妙なインストセッション展開でレディへに接近したがり中のところを発見。「エビエビ」聴けた。「風待ち」最高。でも往年のファンしか盛り上がっておらず、ミーハーリスナーを突き放すようなセトリがデリコと対照的でした。私も当然シングルくらいしか知らんので楽しめず・・・。
●ピロウズ→いやーシングル持ってた「I Think I Can」、大好きな「Ride On Shooting Star」聴けたのでうれしかった。向井に向かうため、途中で断念。やっぱ盛り上がってた。
●聖飢魔II→まじでかっこいい!!最高。「蝋人形~」の盛り上がりは、当日イチだったか?「まんこ!」連発。すごい一体感。個人的な趣味抜きなら、間違いなくこの日のフェスの主役であり、ベストアクトだと思う。
●向井秀徳 アコースティック&エレクトリック→最高!「CRAZY DAYS CRAZY FEELING」「WATER FRONT」「Delayed Brain」聴けたー。MCも演奏も面白すぎる。なんと自分が去った後にYUIの「CHE.R.RY」をやったらしい・・・。これは単独を見に行かねば・・・。
●安藤裕子→デーモン小暮に対抗し、天使の衣装で登場。かわいすぎる。
●bloodthirsty butchers→今日の俺の目玉にしてベスト!大好きな最新作からも好きな曲い~っぱいやったし、「8月」もよかった。涙が止まらない・・・。最後のギター投げも見れた。とりあえず名盤「kocorono」完全版を買わなくてはいけません。
●奥田民生→「イージュー★ライダー」大合唱は心に残る!「The Standard」も本当によかった、この唄今までメロディーばっか意識してたけど、生で聴いたら歌詞の意味が存分に伝わってきてジワリ。知ってる曲がもっとあれば、と後悔。とはいえど、生民生を最前列で見れたのはレアでした。→〆
2日目
●グループ魂→矢沢と迷って、こっちにしました。ナマのサダヲ、クドカンはうれしい。下ネタ連発で、「セックス」「マンコ」「シコる」は当たり前のように合唱、「クン兄さん」では「ク○ニ、ペロペロ!」の大合唱で笑わずにはいられない。新曲らしい「手マン部」や名曲「Over 30 Do the 魂」も面白かった。とにかく笑った。
●the telephones→途中抜けだったので、僕の持ってるアルバムからの曲が聴けなかったのがちょっと残念!でも曲知らんくて全然OK、はっちゃけまくり。
●エレファントカシマシ→大合唱の「今宵~」だけ聴いて去る。向井とタイムテーブルかぶせるなよ~。
●ZAZEN BOYS→前日のソロとは曲かぶせず。「SHI・GE・KI」「COLD BEAT」「Asobi」「HIMITSU GIRL'S~」「Honnoji」「Friday Night」等々。連れも言ってたけど、3rdくらいからメキメキ効かせてきた80s風味のシンセの音がたまらん!気持ちいい!チャルメラの即興とかも披露してた。このバンドは全然CDと違う演奏やボーカルをするのでライブみないといかんね。「Daruma」での「谷間」発言等有り。音小さい・・・。
●ホフディラン→あまり詳しくないので合間に少し見ただけだったんだけど、ちょうど高校のときに好きだった「欲望」とか有名な「スマイル」聴けたぜ! のどかでピースフル。
●山下達郎→29年ぶりの野外、芸能生活35周年目ということ、あと大モノというだけで観に行ったんだけど、会場の壮絶な盛り上がりはまさにフェスならでは。キメてるかのごとくハイテンションに。うお~!音楽最高!ラブ&ピース!とか叫んでしまいそうなノリになっちゃいました。ドラムスの人、すごい上手。達郎様ご本人はMCも上手いし、盛り上げも流石だし、「アトムの子」では鉄腕アトムのカバーを挿入したりと、サービス満点。正直今まで見たライブで一番一体感のあるライブだった。奥様の竹内まりやさんもコーラスで登場。・・・泣きました。達郎様でフェス締めたら最高だったのに!まさかのシュガーベイブの「WINDY LADY」聴けた!!(泣) アンコールを誰もしなかったのは、きっと皆満足してたからだと思う。
●七尾旅人→見るの初めて!声とMCがイメージ通りで幻想的。のちにUAのライブでも聴くことになる「私の赤ちゃん」有り。ルー・リードのカバー有り。「Rollin' Rollin'」、「どんどん季節は流れて」大合唱にうるうる。スチャダラの「サマージャム」を織り交ぜられ、もう涙涙。連れとここだけ離れて観に行ったんだが、これは単独で行く価値あった。
●曽我部恵一BAND→もう盛り上がるのは必至だったけど、いつもと同じ曲群で当然のように大盛り上がり。俺も周りも唄う唄う、レスポンス良すぎ。サニーデイでも観てみたいな。
●HIFANA→曽我部の後にちょっとだけ小屋の外から聴いてた。怪しく珍奇な音が外までバッチシ漏れてた。キメてるような感じの人達がわらわら・・・。生で観たかったけどおあずけ。
●UA→ビークルはブッチャーズ吉村も出るだろうから迷ったけど、UAに。ビークルの爆音が遠く離れたUAのステージにまで聞こえてきたが、UAは貫禄の熱演。「Moor」が聴けたのはエコと地球を意識したフェスならではでしょうか。どんどん曲はアッパーになって、たぶんビョークのカバーも混ざり、情熱的なステージにまたしても失禁。涼しい。
●相対性理論→前のWAGDUG FUTURISTIC UNITYでのマッチョな客がさっと引き、草食系男子が最前線へ出て行ったのが観てて笑えた。俺も例に漏れず前から3列目くらいへ。曲とは対照的にモッシュが起きるわ、臭いわ、Oiコールがあるわ、後ろからかなり人が押してきて圧死しかけるわで、かなりカオスに。やっぱボーカル可愛い。「LOVEずっきゅん」は親衛隊みたいなやつらの合唱という完全に秋葉系ノリになったが楽しかった。SMAPに提供した「GAIAにおねがい」もやった(後から知った)。やくしまるえつこが終始iPhoneを持ち、時にいじってたのが衝撃的だった。ムーンライダーズの鈴木慶一さん登場後はギターノイズメインで大盛り上がり、やくしまるえつこはしゃがんでつまらなそうにしてるし、ここが大いにツボで気持ちよかった。
●Boom Boom Satellites→通りかけに一瞬見た。すっごい湧いてた。
●EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX→途中参加なんだけど、そっから「色彩~」「くちばし」「GO ACTION」の流れで会場大沸騰で、狂ったように踊りだす。一番踊ったなーー。ここでぎっくり腰再発。
●石野卓球・DJ TASAKA→ピエール瀧乱入。
●9mm Parabellum Bullet→う~ん。こ・・・
●Asian Kung-Fu Generation→トリと聞いて、微妙!と思ったが、ふたを開ければ、MC下手でなんか憎めないし、アジカンの曲は何気にほとんど知っててけっこう好きだとわかったことが収穫。セトリもシングル中心でよかった! 「君という花」「ブルートレイン」「羅針盤」とか俺でも歌えるやつ。新作「マジックディスク」を買って聴いてたんだけど、「ライジングサン」という曲があるので、これはやるわとおもってたら案の定アンコール曲がコレだった。この曲の次の締め=フェスオオトリ曲は(たぶん)「転がる岩、君に朝が降る」。寝ぼけながら聴いてゴメンナサイ。朝日は、・・・観れず(曇天のため)。
●総合
ブラッドサースティ・ブッチャーズ★★★★★★★★★★
UA★★★★★
EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX★★★★★
山下達郎★★★★★
七尾旅人★★★★
向井秀徳 アコースティック&エレクトリック★★★★
●盛り上がり度
曽我部恵一BAND
相対性理論
ラブ・サイケデリコ
●エンタメ度
グループ魂
聖飢魔II
●普通度
アジカン(アジ缶)
キューミリ(0.9cmパラパラなんとか)
●意味不明度
GRAPEVINE
●懐かしい度
ホフディラン
●E.ヤザワ度
矢沢永吉
●噂に聞くと良かったらしい
スチャダラパー
EZOIST
向井アコエレの後半(前半しか見てない)
●見逃しorz度
ヌードルス
テニスコーツ
ROVO
ハナレグミ
EYヨ
中村達也
ピーズ
なんにせよ、
アーティストが自由に他のステージに入り乱れる、
1アーティストの持ち時間が長い、
涼しい、
ボーカルがよく聞こえる、
飯がそんな高くなくてしっかり市場原理がはたらいている、
トイレが死にたくなるほど有る、
ステージのコンセプトが明確、
うんこくさい、
しっこくさい、
めんどくさい、
など、
いいところいっぱいのフェスでした。
野外派なら間違いなくオススメでヤンス。
飛び入りは多く、
自分が見たのはエレキコミックやつい@ソカバン、LED加藤氏@ソカバン&七尾、竹内まりや@山下達郎、ピエール瀧@石野卓球、あと他にもGLAYのTERUとか色々あったみたい(北海道ですからね)。
あと、上記の通り持ち時間が長いので、遊びでやってくれる曲やカバーもなどもたくさんあり、当たり前ですが普通じゃ見られない、サービス万点のライブが見れるかと思います。
閣下のナマ蝋人形が聞けたこと、
(調べてみると、お前を○○にしてやろうかシリーズは、
・五月人形(ピエール瀧)
・ディスコ(テレフォンズ)
・エレベーター(9mm)
・ダッチワイフ(ビークル)
ってのがあったらしい。)
やっぱ野外だと言論も治外法権で、下ネタを含め、TVだと間違いなくNGなワードをたくさん聴けたこと(これぞあるべき表現)、
がいい想い出。
最後に七尾旅人さんのルー・リード「ワイルドサイドを歩け」カバー前のMCがかっこよ過ぎたので、メモしときます。本当にこんな感じの語り口調です。
「人生には選択が必要。
今日ここにくるのも選択肢の一つだったわけで。
(地面が台風でぐちゃぐちゃだったことを受けて)
事前に情報を得て、
LIVEにどうやって行こうか、長靴を履いて行こうか、って考えた。
その時僕は下駄を履いていた。
でも正直、どうでもいいと思った。
・・・気がついたら僕は札幌のABCマートの前にいた。
そこには色んなクツが売られてた。
長靴も売っていた。
でも僕はそこで下駄を買った。
下駄は2足になった。
ぼくはその下駄で今日やってきました。
ルー・リードは言った、アブない道を選べって、ね。」
フェスって終わるとほんと寂しくなるな。
とりあえずRSRと夏と北海道は最高だった。
金と時間が許すなら来年も絶対行きたいなというのがマジな感想。
寝ます。
(mixi日記より再掲、なんとなく思い出したから。)

戸張大輔 / 無題5

H、感じて、Dreamy...



90年代の関西地下音楽を象徴する、
ローファイ/スカムシーン(そんなものあったのかわからない、本で読んだだけだから)において、
一際異彩を放っていたとされるのがこの戸張大輔氏らしい。
90年代はまだガキだったし、
J-POPに没頭していたからまったく知らなかった。
→当然後聴き
そんな氏の評価としては、
山塚アイや山本精一、豊田道倫、直枝政広...etc...から大きく賛辞が送られている...
なんて言えば、だいたい雰囲気はお分かりいただけるでしょう。
特に氏のアルバムをremix誌のベストアルバムに選んだ山塚さんの「古代の叡智を感じる」
という評価はけっこう有名っぽい。
以下引用ですが、プロフィール。
"
戸張大輔:天才音楽家。
U2、チャラ、長渕剛しか聴いたことがないという。
チャラ に関しては人一倍うるさい。
山塚アイ氏がREMIX誌95ベストアルバムに戸張のカセット作品
『ファンタジー』を「古代の叡智を感じる」と選出。
豊田道倫氏が同作を G-SCOPE誌94ベストアルバムに選出。
同カセット、新宿ロスアプソンなど局地的に ヒット。
上記およびその周辺ごく少数に支持を集めたが以後連絡途切れる。
大学卒業 から数ヶ月後の今年7月、バンブルビーに20曲入りのカセットが戸張から送られてくる。
「NHKのラジオ深夜便を聞き終わった早朝聴いたんだけど全く違和感なかった」(談:豊田道倫)
つまりはスタンダードに成り得るというこっちゃ!リリースせな!
と周りの冷静な意見を押し切り
バンブルビー・レコード第5弾として12/10リリース決定!!
あんまり言いふらさんといてな。(金野:記)

"
とバックバクに期待を膨らまし、下の動画を再生すれば、
ハートを鷲掴みされること請け合いです。
戸張大輔無題5
この曲はアルバム「ギター」の中の珠玉の1作である。
同アルバムは、これだけではもちろんないが、
自分のiPodの再生回数ナンバーワンがこの曲なので、
のせてみましたよ。
そして同氏はこのアルバムリリース後、10年以上沈黙し、
2009年にアルバム「ドラム」をリリースしている。
その2009年の後半に私は「ギター」に出会い、
戸張氏に心を奪われた人間である。
だから「ドラム」は聴き始めだし、生の戸張氏のライブも見れていない。
だから、10万払ってもライブを、ナマを見たい、そんなミュージシャンなのです。
戸張氏に関しては
・神秘的なサウンドのせいか、自然と歌詞も神々しく聞こえるが、
 歌詞は意外とカジュアルなところ。
・ポップなところ。
・ギターが(テクではなく)上手なところ。
・ほか全部。
が好き。
要するに、子供の頃に迷子になったばあちゃんちのそばの夕暮れの森の中を思い出す。
これを思い出すとき、最高にアドレナリンが出ている俺の脳。
そういうことでございます。
ギター / 戸張大輔 (CD - 1999)