12/24/2018

私的2018年音楽作品番付 トラック編 <洋楽>

1. Peter CottonTale / Forever Always (feat. Rex Orange County, Chance the Rapper, Daniel Caesar, Madison Ryann Ward & YEBBA)

名作「Surf」の輝き再び。なんと爽やかで甘いリリックだろう。「Surf」の時ほどの反応がないのが寂しい。飾りっ気のないゴージャスさも含めてアダルト・オリエンテッドなの新しいアンセム。
2. Mitski / Nobody
ジャケに”Mitski Stars On”と書かれている通り、Mitskiががっつり演技しているPVも面白い新境地の楽曲。クセになる。日系ミュージシャンで音楽的背景に日本のミュージシャンが多く、なんと無く親しみを感じる節回しやメロディーがある(気がする)。
3. Kali Uchis / Just a Stranger (feat. Steve Lacy)
フジロック配信でも話題になったKali姉さん、コロンビア生まれのナイスバディを惜しげも無く表現の一部として使うような衒いの無さが非常にかっこいい。
4. Snail Mail / Heat Wave
「Habit」の萌芽が完全に開花した快作アルバムから。ローファイなんてくくりじゃ勿体無い。Beckのようにマスの評価を手に入れる日が近いアーティストになると思う。
5. Amber Mark / Love Me Right
 Sadeのカバーも収録されたEPから。ラヴァーズの浮遊感が特徴的なネオソウル。歌声は低く控えめでありつつ、ほんのりハスキーで堪らない。Jorja Smith然り、最近のRnBシンガーは皆かわいい。

6. Young Fathers / In My View
意外にもNinja Tuneからのリリースとなる最新作は、前作のタイトルの流れを比喩的に汲むような名付けとなっている。このバンドの存在自体をベースに、アフリカン・ビートを軸にしたこの曲は音楽ジャンル・グループ形態のみならず、人種・国家・宗教、様々な多様性を想起させる。常にどこにも混ざらないような唯一無二の存在であり続ける同バンドの象徴のようなナンバー。
7. Preoccupations / Disarray
数年前にポスト・パンクのちょっとしたムーヴメントがあったが、当時から強く存在感を残しているのはこのバンドしか思いつかない(当時はViet Cong)。瑞々しくダークな名曲。
8. Twin Shadow / Saturdays (feat. HAIM)
こちらもChill Waveブーム時代は持て囃された一味の一人。リードトラックとして出ていた今作はなかなかの出来で、しかもHAIMとの共演。
9. Courtney Barnett / Charity
ポジティブで能天気な応援ソング。たまにはこういう音楽聞かないと疲れる。

10. Wild Pink / All Some Frenchman's Joke
アルバムの中でもメインの曲ではないんだろうけど、リフに心奪われた。とにかく美しい。80年代の日本のロックってたまにこんなのあったような。

11. Louis Cole / Real Life (feat. Brad Mehldau)
一躍有名人になった変人Louis Cole。Brad Mehldauとは意外なコラボであった。
12. Baywaves / Still in Bed
紅一点の女の子がかわいい。
13. Ought / Disgraced in America
Tim Darcyのソロ・アルバムを経て、一層癖の強くなったOught。これまになかった後半のサイケな展開がとても良いです。
14. The Radio Dept. / Your True Name
15. Lylo / Submerge

懐かしいサウンドと、このなんとも言えないシュールでやや不気味なPVのマッチングが素晴らしい。
16. Kendrick Lamar, SZA / All The Stars

「ブラック・パンサー」 OSTより。ケンドリックの良さはあまり出ていないのだけど。。。
17. Stephen Malkmus and the Jicks / Middle America
18. King Tuff / The Other
 この人アルバムに毎回一曲だけすごくいい曲が入ってるんだよな。

19. Drake / God’s Plan

曲そのもの以上に付帯する言動のパワーが強いのがDrakeのこのナンバーであるが、善業の照れ隠しのような意味合いがにじみ出ていて彼のの人柄を思わせる。Pusha-TもKanyeも好きだけど、Drakeもやっぱりいい。
20. LOOΠΔ/yyxy / love4eva (feat. Grimes)
K-POPのキッチュさとGrimesのコラボという、ありそうでなかったbutテッパンな取り合わせ。LOOΠΔの他の曲もとても良かった。
21. Stef Chura / Degress
相変わらずのドライなロック、しかし今作のプロデュースはなんとWill Toledo(Car Seat Headrest)!最高だ!エモい!

22. Lydia / Tourist

23. cupcakKe / Total
24. Ricky Eat Acid / Sitting In a Diner
クセになるなぁ・・・。アルバム丸々聞く自身はないけど、名前の通りアシッドを食らったかのような感覚(食らったことないけど)。チカチカしてくる。
25. Chance The Rapper / Work Out
チャンスさんのこのメロウさと多幸感溢れるリリックが好きだー!

3/31/2018

Kyle Craft / Full Circle Nightmare



音楽をよく聴く人は、それぞれ自分の中で「アタリ」のジャケットみたいなものがあるのではないかと思う。Kyle Craftの新作は、こちらを強く見つめるKyleが中心に据えられ、中世の西洋画のような構図・トーンの、しかし飾り気のあまりないシンプルなジャケットであり、一目見てビビッときた。

David Bowieに最大の賛辞を送る彼のグラム・マナーの前作からすると、声色も心なしかワイルドになり、音もかなり泥臭くなっている。ルーツであるグラム・ロックも感じさせながら、彼の育った田舎を匂わせるフォーク、カントリー、アメリカン・ロックの風味も強く感じさせる、そしてそのどれにも偏らず絶妙な均衡が保たれた、なんとも奇妙な音だ。こういうのをミッシング・リンクというのだろうか…。前作から2年弱でありながら、大きく変化を感じさせる新作となった。The DecemberistsのChris Funkがプロデュースという想定外なプロセスも大きく影響しているのだろう。

悲しいことに世のレビューではあまり良い評価はされていない。この手の音が好きそうなロッキング・オンでさえほぼスルー状態。日本人が好きそうな音なのにあまりレビューも見かけない。なので書いてみました。

3単語で作る所謂「ロック」感の強いタイトルが多く(「Fever Dream Girl」や「Gold Calf Moan」等、「Blankey Jet City」みたいな感じ(笑)、10曲中7曲)、でも歌っているのは切ない恋の物語だったり、そんなロックンロール・スター然とした存在感もたまらない。
グっときた歌詞はこれ。
Send your regards when your heart is ripe for the stealing.
腑抜けのような辛抱強いような、純粋なような勝手なような、男ってこんな感じだ。男らしいアルバムだ。



2/09/2018

No Age / Snares Like a Haircut



メディアがNo Ageの音楽を紹介する際に使う言葉としては、「ノイズ」、「ガレージ」、「パンク」、「アート」、或いは組み合わせて「ノイズ・ロック」だの「アート・パンク」だの雑多なそれっぽいものが挙げられるが、そんな煩わしい形容を吹き飛ばすような疾走感のある痛快なロックンロールが新作「Snares Like A Haircut」の特長である。
デビュー時の話題性は無くなり、ややひっそりと発売された感もあってあまり期待してなかった人も多いのではないかと思うが(SNSではそのような書き込みを見かけた)、恐らく一曲目「Cruise Control」から打ちのめされたことと思う。Sonic Youthの「Teen Age Riot」のような、とてもキャッチーなナンバーだ。そして2曲目からもキラーチューンが続く。とても気持ちよい。
全体的にはシューゲイザー色が強くなり、根幹となるギターのメロディーかつてない程美しくなっている。最高傑作だ。
学生時代、まだSonic Youthを余り聞いたことのない頃に、やたらとアート的側面が喧伝されていた為にどんな音楽かと聞いてみたらがっつりパンクロックでびっくりした記憶がある。同じようにアートの創作現場にこだわるNo AgeにはロサンゼルスのSonic Youth的存在として我が道をひたすら掘り下げて行ってほしい。

12/31/2017

私的2017年音楽作品番付 アルバム編 <洋楽>

ランキングや評価がAOTY Album of The Yearのようなサイトの台頭とSNSを通じて一般化・均一化されているような気がする。そして自分も例に漏れずケンドリック・ラマーを推すが、よく取り上げられるのが革新し続けるブラック・ミュージックとKing KruleやSZAのような大型新人で、ベテランアーティストの新作はなかなか評価されていない気がする。今回選出したBritish Sea PowerやThe Clientele、Arto Lindsayなどは、結構大手メディアでスルーされているのはなぜだろう。
そういえば相変わらずロッキング・オンは囲い込んだアーティストでいつもお馴染みのランキングをつくっていて、とても面白かった。


1. Kendrick Lamar / DAMN.

須藤凛々花の「DAMN.」TシャツでのDIS返しで妙なところで話題になってしまった作品。彼女はラップ好きらしいが、ヒップホップが好きな人というよりはロック全般、ブラック全般のファンから愛されている感のあるKendrick。因みに日本では「To Pimp A Butterfly」の方が売れたが、アメリカでは逆で過去作品の中で最高の売上となっている。


2. SZA / Ctrl

S→Zと来て、当然「A」となると思われていた作品「Ctrl」。ある種の完結といえば完結であり、RCAからのリリースとなる。TDEの華。


3. Thundercat / Drunk

ジャケを見て、これは来るぞ!と思ったが、予想通り快作。5〜6年前に大阪で行われたZETTAI-MUで、ドラゴンボールの孫悟空の格好をしたFlying Lotusのサポートで来日していたが(確かコスプレもしていた)、もはや単独で十分ホールを埋めれる人気になったことだろう。当時はまだベーシストの印象も強かったが、もはや総合力のある名コンポーザーた。日本への愛もちょくちょく感じさせるところがキュンと来る。さて、ここまでケンドリック繋がりだらけだ。


4. The War On Drugs / A Deeper Understanding

ベルベッツのジャケを模した作品(タイトルもThe Velvet Undergroundと掛けている?)。Bruce Springsteenの再評価が高まっており、The War On DrugsやDestroyerの存在が一役買っているのは間違いないが、今作ではそこを大きく踏み越えて、うたものへ大きくシフトし、U2中期作のようなスケール感の作品に仕上がっている。そして白眉はギターソロ。これまでギターというよりはシンセの色が強かったが、ここまで良いギターを聞かせるとは。


5. Charly Bliss / Guppy

私の中でnoodlesはガールズロックの1つの金字塔なのであるが、Charly Blissはその金字塔に迫る素晴らしい匂いを感じさせるバンドだ。某サイトではバブルガレージ・ポップと評されていたが見事な形容だ。キッチュさ・ローファイさをフルに活かしたキュートなバンド。


6. Waxahatchee / Out in the Storm

ここまで所謂ギターポップらしい作品だったっけ。いかにもアメリカンな乾いた空気を部屋に充満させてくれる心地よい盤。どの曲もキャッチーで勢いを感じる。ジャケのインパクト大な新作が話題となった実妹Allison Crutchfieldも参加している。


7. Beach Fossils / Somersault

これまで聞いたことなかったバンド。Real Estateのようなギターの爽快感。サックスのフィーチャーも心地よい。これからもずっと聴くだろうな。


8. King Krule / The OOZ

「Dum Surfer」で心奪われた。ノー・ウェーヴ好きにまでアピールする魅力。


9. Golden Retriever / Rotations

昨年聴きまくったAnenonと同じで、この手のミニマル+サックスのアンビエント(?)に弱い。疲れた時、何も考えたくない時によく聞いた。


10. Kamasi Washington / Harmony of Difference

やはりカマシは凄い。昨年あれだけの大型作品を残しながら、あっさりその壁を越える新作。


11. Big Thief / Capacity



12. British Sea Power / Let the Dancers Inherit the Party

大好きなバンドなのだが贔屓目に見なくても快作だった!セックスフレンド!


13. Shenandoah Davis / Souvenirs

名前も聞いたことなかったシアトルのシンガー。結構歴は長いらしい。あまり情報がないので素性はよくわからないのだけど、往年の名曲のようなナンバーがずらりの作品。


14. BROCKHAMPTON / Saturation II

突如現れた新人。I〜IIIまでカッコいい。


15. OMNI / Multi-Task

一聴して突然段ボールが浮かんで来た。元DeerhunterのFrankie Broylesによる新バンド。


16. Charlotte Gainsbourg / Rest

フレンチコラボ!


17. Fleet Foxes / Crack-Up

まさかの復活。


18. The Clientele / Music for the Age of Miracles (Deluxe Edition)

こちらも久しぶりの新作。去年知ったばかりだけど、過去作を漁りつつ聞いた新作はとても楽しめた。


19. Moses Sumney / Aromanticism

Radiohead?と思ってしまった。ケンドリック然り、Radioheadがブラックミュージックに与えた影響がじわじわ来ているのだろうか。


20. Arto Lindsay / Cuidado Madame

話題にならないのがおかしい。結構ボサノヴァに振れて聴き心地が良いものの、実験性を忘れないサウンドメイキング。


21. The xx / I See You



22. Julien Baker / Turn Out the Lights



23. Real Estate / In Mind



24. Alex Lahey / I Love You Like a Brother



25. Moonchild / Voyager



26. Turnover / Good Nature



27. Surfer Blood / Snowdonia



28. Jens Lekman / Life Will See You Now



29. Miguel / War & Leisure



30. Vagabon / Infinite Worlds



<選外>

Nightlands / I Can Feel the Night Around Me



Moon Diagrams / Lifteime of Love



Pond / The Weather



MOCKY / How To Hit What and How Hard (The Moxtape, Vol. IV)



Priests / Nothing Feels Natural