12/23/2015

私的2015年音楽作品番付 アルバム編 <洋楽>

暗いジャケットが多いが、世相を反映しているのか。1と2にはぶっ飛ばされた。

1. Floating Points / Elaenia

神経科学の博士号を持つ知性派。マンチェ出身であるが、先輩たちのように踊れる音楽ではなく、真面目でどこかエスニックな電子音楽。Chari ChariやOvalが好きな人に勧めたい。

2. Roman à clef / Abandonware

Prefab Sproutに女声が加わったらステキだと思いませんか?メンバーからしてハズレのワケはないのだが、だいたいこういうドリームユニットには今まで裏切られてきたので…あまり期待せずに聞いてみたら恐ろしい程のアタリだった。メンバーは三十路前後で同世代。ディスコ隆盛(日本ではバブル)の終末期を物心もつかぬ中で少しだけ味わい、ダサさを感じつつもディスコサウンドへの憧憬は妙に拭い去れぬ世代である。白眉の「Bye/Gone」を聞いてみれば、きっと彼らの本来の所属バンドでも味わえない複雑で美しいサウンドがあなたの琴線に触れまくるでしょう。

3. Tame Impala / Currents

リリース時にはなかなか良さが分からなかったのだが、少し経ってからふと聞いた「Let It Happen」のリフレインに心を奪われた。サイケロックで括るには勿体ないほど情緒豊かでセクシーなアルバム。個人的な感覚としては、"チルウェイヴ感の残る数少ないバンドサウンド"として愛聴した。

4. Thundercat / The Beyond / Where the Giants Roam

Flying Lotusへの客演で注目を浴びたベーシスト。もちろんBrainfeederから。Kamasi Washingtonも参加しており、レーベル・カラーを象徴するような程よいジャズ感の作品。

5. Kamasi Washington / The Epic

気鋭の若手ジャズマン、"カマシ・ワシントン"。なんか最近、Hiatus KaiyoteとかZun Zun EguiとかHaiku Salutとか、日本国チックな名前が流行っているのかな?本名だったらすみません。私はジャズに明るくないので、この作品についてはただカッコいい!としか言えませんが、カッコいいです。

6. Deerhunter / Fading Frontier

消えゆくモノに関する誇大妄想気味の儚く希望のない歌たち。サマソニHostessのドタキャンは今でも悔やまれる。曲調は決してダークではないし高揚感もある。なんとなく"突き抜けた"というか、妙に"振り切った"清々しい印象で、最終作になりそうで怖い。

7. Hiatus Kaiyote / Choose Your Weapon

すごい情報量&熱量。これをまともに受け止め分析できるような器量はないが、決して難解ではなく、バカな私でも充分楽しめるポップさが何よりの魅力だろう。ヴォーカルのNai Palmも、ソロだったとしても充分にチャーミングであろう独特のフローと強い存在感を放ち、この人をさらっと擁しているというだけでもかなりゴージャスに感じられる。

8. Tuxedo / Tuxedo

引用に拠る既聴感を除いたとしても、豪華絢爛でドPOPな音は流石としか言いようがない。折しもDaft Punkが切り開いたディスコ・ソウル・リバイバルの隆盛、Zappらの再評価の真っ只中で、ここで出さないでいつ出すのかという絶好のタイミングでリリースされた時代を象徴する一枚。


9. SOPHIE / Product

安室ちゃんの「_genic」参加で日本でも知名度がアップしたSOPHIE。ベスト盤的な作品なのでまとまりがあるわけではないが、ミニマルでクセになる曲ばかりでおれ得な一枚。

10. Oneohtrix Point Never / Garden of Delete
削除の庭???...いや、お馴染みのネット文化を想起するとなんと無く意味は分からなくもない。本作は何故かPantera等のメタルの影響下にあるらしいが、それが寧ろよく分からない。この人を食ったような感じは 嘗てのAphex Twinのよう。サウンド面のカテゴライズはできないが、出自を異にするArcaの新作と合わせて、このような尖ったエレクトロニカが同時多発的にウケているのは偶然ではないはず。


次点
Belle and Sebastian / Girls In Peacetime Want To Dance


Julia Holter / Have You in My Wilderness


Grimes / Art Angels

Kelela / Hallucinogen


The Libertines / Anthems for Doomed Youth


The Weeknd / Beauty Behind the Madness


Public Image Ltd. / What The World Needs Now


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