9/22/2010

浜田真理子 / あなたへ

僕が聴きたかったラブソング集

今この文章書こうと思ったら、
仕事の癖で「お疲れ様です。」から入ろうとしてしまった。。。
病気です。
さてそれはいいとして、浜田真理子の「あなたへ」。
中四国エリアローカルをベースに活動するシンガーソングライターの作品です。
曲はピアノオンリーの弾き語り。
静岡に来てから初めて聴くようになったのですが、
最初に買ったアルバムがこの「あなたへ」でした。
非常に聴きやすくしっとりとまとまったアルバムで、
喧騒から離れたいとき、いつも聴いていた。
テーマは「あなたへ」ということで、
「わたし」と「あなた」の2者が主人公のラブソングがメイン。
こういうアルバムのまとめ方する人、最近少ないですよね。
とにかく、日本語と歌声が<美しい>。
ファーストアルバムでは流暢な英語を披露しているのですが、
断然個人的にはこのセカンドの流麗な日本語が心を打つ。
美し過ぎて、ピュア過ぎて、時折太陽の光のように厳しさを照りつける。
母親のような大きなこころで。
返せ 私のこころを 置いてゆけ
 あなたに あげるつもりの こころでは なかったのだ
」(『あしくび』より引用)
涙の代わりに こころで血を流す」(『Fruitless love』より引用)
そんな中途半端な愛なら どうぞ持ってお帰り下さい
 そんな中途半端な愛でも 喜ぶ誰かにおあげなさい
」(『純愛』より引用)
目を閉じて わたしのこころに
 愛の詰まった わたしのこころに 聞いてみよう
 するとこころはこう言った 
 『なぜ理由がなくてはならないのか』と
」(『理由』より引用)
何かハッとする想いに、我を失い、そして取り戻す。
でもそんな<エセの優しさ>だけではないラブソングを僕は聴きたかったのです。
歌声が<美しい>と前述したが、同時に歌声の迫力がすごい。
いや、さらりと聴いても分からないのだが、
(寧ろオシャレなジャズ喫茶のBGMのようにさらりとも聴けてしまう自然な歌声)
あとから心に引っかかってくる言葉と声の重み。そして包容。
ピアノの音とともに空気を破り、皮膚を破り、内臓を破り、
心の芯の真に突き刺さり沁みてくる。
このアルバム収録の『月の記憶』という曲は「あなた」と「わたし」を、
「太陽」と「月」に喩え唄った名曲。(おそらく一番有名。)
え、、有りがちな比喩ですって・・・?
確かにそうなんですけど、それが単純にそういうわけでもないのです。
語感や修辞の美しさの演出のために比喩を駆使しているだけの曲ではないのです。
浜田真理子・月の記憶
ファーストもサードも名作。(4作目は未聴)
テーマはすべて異なる。
商業からは2、3歩距離を置いている。
<唄いたいこと>をしっかり持っているから、
TVへの露出が増えても、
音源が売れるようになっても、
テクノロジーが一層進化しても、
ローカルベースの活動はやめないだろうし、
作風を変えるということもないだろう。
ずっと浜田真理子のままであり続ける、そんな気がします。
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